内容 | 本書は、L.Salamon, Leverage for Good: An Introduction to the New Frontiers of Philan-thropy and Social Investment (Oxford Univer-sity Press, 2014)の翻訳であり、現在、欧米で試みられているフィランソロピーや新たなソーシャルファイナンスの手法を包括的に分析し、その概要と課題を紹介したものである。本書が提示する新たなパラダイムは、日本が抱える様々な問題を解決する上で、大きな役割を果たすと考えられる。 [ここがポイント] ◎ 福祉国家に代わる新たな社会モデルを提言。 【著者略歴】 著者紹介:レスター・M・サラモン(Lester M. Salamon) ジョンズ・ホプキンス大学教授。同大学市民社会研究所長。プリンストン大学で経済学と政治学の学位を,ハーバード大学で政治学の博士号を取得。米国アーバン・インスティチュートのガバナンス・経営研究所長,米国行政管理予算局副局長補などを歴任。 サラモン博士は,政府の行政手法の専門家であり,また米国および世界中の非営利セクターに関する国際比較研究プロジェクトを立ち上げるなど,非営利組織に関する実証研究の第一人者である。サラモン博士の研究は多岐にわたるが,主要な業績としては,米国非営利セクター研究,グローバル市民社会についての比較研究,政府の非営利支援政策研究,非営利組織に関する国民勘定統計ガイドブック策定,「民営化を通じたフィランソロピー化」研究,米国非営利セクター聞き取り調査,非営利経済データ,ボランティア活動の測定指標などがある。 訳者紹介:小林立明(こばやし・たつあき) 1964年生まれ。東京大学教養学部相関社会科学専攻,ペンシルヴァニア大学NPO指導者育成修士課程修了。国際交流基金・日本財団勤務,ジョンズ・ホプキンス大学市民社会研究所客員研究員,日本NPOセンター特別研究員を経て,現在,日本公共政策研究機構主任研究員。研究領域は,フィランソロピーのフロンティアと社会的投資,非営利組織経営と評価,戦略的グラント・メイキングなど。 |
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目次 | 日本語版への序文――未来に向けて フィランソロピーのニューフロンティアは日本でも花開くか? 緒言/謝辞 第1章 フィランソロピーのニューフロンティア革命と社会的インパクト投資 1 本書の目的と戦略 2 専門用語についての注釈 第2章 フィランソロピーのニューフロンティア探索Ⅰ――新たなアクター 1 社会的インパクト投資機関 2 社会的インパクト投資支援機関 3 新たなタイプの助成団体 4 豊穣の亜大陸――要約 第3章 フィランソロピーのニューフロンティア探索Ⅱ――新たなツール 1 社会的インパクト投資ツール 2 他の新たなツール 3 結 論 第4章 なぜ今なのか 1 新たなソーシャル・キャピタル市場の需要面 2 供給要因 3 要 約 第5章 残された障壁 1 五つの障壁 2 伝統的市場のリスク・リターン比率? 3 政府の代替? 4 伝統的フィランソロピーとの決別? 第6章 解決に向けた処方箋――前進に向けて 1 六つの処方箋 2 結 論 付 録 A 「フィランソロピーのニューフロンティア」プロジェクト諮問委員会 B 姉妹図書紹介 注/用語解説/参考文献/訳者解題/訳者あとがき/索引 コラム 1 カルバート財団――多様な役割を担う社会的インパクト投資団体 2 投資資本対事業収入 3 アキュメン・ファンドの設立理念――世界の貧困への取り組み手法を変革する 4 エドナ・マコーネル・クラーク財団――我々の手法 5 欧州ベンチャー・フィランソロピー協会の七つの主要特質 6 アービシュカール・インターナショナル 7 準株式 8 潜在的な社会的投資受入団体が抱える主要な知識ギャップ |