認定NPO法人ReBit様(Salesforce導入支援の事例)
外部の「伴走」をうまく活かし、Salesforce導入を確実に進めることができた
認定NPO法人ReBit(りびっと)(以下、ReBit)は、LGBTQもありのままで学び・働き・暮らせる社会を目指す、認定NPO法人です。団体名には「少しずつ(Bit)」を「何度でも (Re)」繰り返すことにより社会が前進してほしい、という願いが込められています。
これまでに学校・行政・企業でLGBTQやダイバーシティに関する授業/研修を約2,200回、22万人以上に提供しています。多様な性についての教材作成や、LGBTQの就活生ら約13,000名超のキャリア支援を行い、LGBTQなど多様性にフレンドリーな就労移行支援事業所を渋谷区と大阪市で運営しています。
ReBitでは寄付者管理でSalesforceを活用中で、導入の際には、NPOサポートセンターが提供する「導入支援パッケージ」というサポートメニュー(以下、導入支援サポート)をご利用されました。
今回はReBitのサポートを担当した小堀が、ReBitの事務局長のNさん、ファンドレイジング担当のKさんのお二人に導入時の様子を伺いました。Salesforce導入を検討する際に、自力で取り組むか、それとも外部の力を頼るのか、迷っている団体さんもいらっしゃると思いますが、少しでもヒントになれば幸いです。
◆ サポートを利用しようと思った理由
小堀:本日はよろしくお願いします。まずはじめに、「導入支援サポート」をご利用されようと思った理由についてお聞かせいただけますか?
Nさん:ひとつは、当時の団体内のリソースだけでSalesforceを導入するのは重荷すぎたということが理由でした。また、もし外部にお願いするのであればプロに依頼したいと思っていました。そして、自力で取り組むより、外部の方に伴走いただきながら取り組んだ方が期日内に完了するのではないかと判断しました。
「プロに依頼したい」ということでいうと、多くの支援実績もお持ちなので、導入がうまくいっている事例/なかなかうまくいかなかった事例、その両方をご存じなのも大事なポイントでした。
小堀:たしかに、特に導入がうまくいっていないケースの情報はなかなか表にも出てこないこともあり、大切な視点だと思います。

左:ReBitの事務局長のNさん / 右:導入支援サポート担当の小堀
◆ 外部の「伴走」があることのメリット
Nさん:さきほど挙げた理由の中の「伴走」ということでいうと、実際にサポートを受けて実感したことでもありますが、定期的なミーティングが設定されていたことがありがたかったです。
「次回までに団体内でこれを決めておかなければいけない」「次回までにこのデータを揃えておかなければいけない」といったかたちでペースをつくることができました。
小堀:なるほど。スケジュール管理やペースメーカーの役割が効果的だったということですね。
Nさん:あと、ミーティングの時に、「ここの部分は後からでも変更できますか?」といったことをよくお聞きしていた気がします。時間も限られている中で、その時々の優先事項も見極めながら、Salesforceの導入を確実に進めることができたと思っています。
小堀:とても大事な観点だと思います。
導入後でも容易に変更できる部分とそうでない部分とがはっきり分かれます。特に後者の場合は、導入前のタイミングで時間をかけてでも団体内でご検討いただく必要があります。ReBitさんは今回、そのメリハリも意識しながら進めていらっしゃったので、大きな後戻りなどは発生しなかったと記憶しています。
Nさん:はい。ありがたいことに、導入の過程で大きな後戻りなどは発生しなかったです。

導入支援サポートのミーティングの様子
◆ 利用検討時の不安・懸念
小堀:ちなみに、「導入支援サポート」の利用を検討される中で、ご不安に思われていたことや迷われていたことはございましたか?
Nさん:私はシステムについてのプロではありませんので、サポートを受ける際にコミュニケーションがうまくできるのかどうか正直不安でした。
たとえばシステムの専門的な話題になった時に、「それは何を意味していて、団体として何を意思決定しなければいけないのか?」といったような疑問が思い浮かんだとして、果たしてちゃんと理解できるのだろうかということが懸念でした。
小堀:そのあたりの懸念は、実際にサポートが始まっていく中で解消されていきましたか?
Nさん:はい。始まる前までは不安でしたが、ミーティングの中でお話する時間をしっかりと確保いただき、対話を重ねていく中で、「これならついていける」という実感を持つことができたので、不安や懸念は解消されていきました。
小堀:「Salesforceを導入することで、どんなことを実現させたいのか?」などをざっくばらんにお話くださったので、我々としてもReBitさんの考えを整理しながら、スムーズに進めることができたと思います。

ReBitは2024年に法人化10周年を迎えられました。画像はリニューアルされたコーポレートロゴ。(画像提供:ReBit)
◆ 団体内で工夫したこと
小堀:「導入支援サポート」を利用される上で、団体内で工夫されたことや気をつけたことはございましたか?
Nさん:「寄付の土台をつくる」ということを団体全体として注力していた時期だったこともあり、今回のSalesforce導入のプロジェクト期間中、「私も、ファンドレイジング担当のKさんも、このプロジェクト優先で業務を行ないます」ということについて、団体全体の合意を取っていたことは大きかったです。
Kさん:そうですね。寄付関連の大切なデータを取り扱うこともあり、Salesforce導入のプロジェクトに集中できる環境が整えられていたことはとてもありがたかったです。期限内に導入を完了させることに注力することができました。

“ReBitはこれからも、少しずつを何度でも、次の「10年後」を創るために、進み続けます。”(法人化10周年メッセージより一部抜粋)(写真提供:ReBit)
◆ サポートを受ける中で印象的だったこと
小堀:サポートを受ける中で、お二人にとって印象的だったことはございますか?
Kさん:サポートの途中の段階で、「実装させたい機能がある」ということを相談させていただきました。後から追加するかたちでの相談にはなってしまいましたが、その機能について丁寧に調べてくださり、無事に実装できました。そのおかげで今、とてもいいかたちでSalesforceを運用できています。限られた期間の中でしっかりと応えていただいたことが印象に残っています。
Nさん:サポート初期の頃のミーティングで、全体スケジュールの希望をお伝えしました。とはいえ、その希望はタイトなものだったので、もしかしたら叶わないかもしれないと思っていたのですが、その場ですぐに新しい全体スケジュールの案を提示していただきました。その瞬間、私の中で「いくぞ!」という気持ちが湧き上がってきたことが印象に残っています。

Nさんが手に持っているのは、LGBTQへの理解を深めてもらうことを目的としてReBitが開発した教材キット。
◆ 迷っている団体へのメッセージ
小堀:Salesforce導入を検討する際に、自力で取り組むか、それとも外部の力を頼るのか、迷っている団体さんもいらっしゃると思います。ぜひお二人からメッセージをお願いいたします。
Nさん:知見を持っていて、導入がなかなかうまくいかなかった事例もご存じのプロの皆さんに伴走いただいたことで、私たちは同じ轍(てつ)を踏まずに進めることができました。その経験から、「積極的に外部リソースを活用すること」を私はオススメしたいと思います。
Kさん:私も同様に、「知見を持っている」という点が大切だと思っています。「Salesforce導入を通じて実現させたいこと」をざっくばらんに相談させていただき、しっかりと応えていただきました。設計や設定の部分はプロにお任せして、それに沿って決まったことを団体側は進めるというぐらいの気持ちで取り組むのがよいのではないかと思います。
小堀:Nさん、Kさん、本日は貴重なお話をありがとうございました。
ReBitの、現在のSalesforceの活用状況についても別途お二人に伺っておりますので、ぜひあわせてお読みいただければ幸いです。
→ 寄付者の情報を一元管理。一人ひとりの「想い」も一緒に蓄積されていく【Salesforce活用事例(ReBit様)】
- 団体名
- 認定NPO法人ReBit
- 設⽴年⽉
- 2009年12月1日 団体設立
2014年3月3日 「特定非営利活動法人ReBit」となる
2018年7月26日 「認定NPO法人ReBit」となる
- 組織規模
- 1億6千万円(2023年度収入)
- メンバー数
- 23名
- Webサイト
- https://rebitlgbt.org
- 事業内容
- 学校・行政・企業でLGBTQやダイバーシティに関する授業/研修を約2,200回、22万人以上に提供。多様な性についての教材作成や、LGBTQの就活生ら約13,000名超のキャリア支援を行う。また、LGBTQなど多様性にフレンドリーな就労移行支援事業所を、渋谷区と大阪市で運営。
※こちらは2024年6月時点の記事です。登場人物の所属・役職は記事作成時点のものです。