正社員やアルバイト、インターン、ボランティア、プロボノなど、多様な活躍の選択肢があるNGO/NPOの仕事。

前編では、職員としてNPOに勤務する3人の若手「N女」が歩んできたソーシャルキャリアについて、その経緯や企業との違いを語りました。


教育機会格差の問題に関心があり、「行政や民間ではアプローチが難しい分野での仕事がしたい」との思いから、新卒で入社したIT企業を経て転職をした認定NPO法人カタリバの嘉数さん。

大学生の時にマレーシアで参加した国際協力の活動から社会貢献を仕事にしたいと考え、新卒でNPOに就職した公益財団法人日本財団学生ボランティアセンター(Gakuvo) に新卒で入職した佐藤希美さん。

学生時代に災害ボランティアの学生団体を立ち上げ、NPOが抱える経営課題の解決に関心を持ち、地図サービスを提供する企業を経て転職したNPO法人NPOサポートセンターの佐藤祥子さん。

3人のNPO就職・転職の動機はそれぞれでしたが、決め手は団体のビジョン、ミッションへの共感や、転職するタイミングへの納得感でした。

そこで今回の後編では、N女たちが実際に就職・転職してから見た世界と今後のキャリアについて語ります。

※本記事は、2017年10月に開催されたイベントCMP朝刮 第3回「ソーシャルキャリアを考える 〜『とりあえず企業で3年』は至言か?神話か?〜」(主催:NPO法人e-Education / 認定NPO法人カタリバ(会場協賛))の内容をもとに作成したものです。

▼前編も公開中!ぜひご覧ください。▼

登壇者

ファシリテーター:薄井大地
(NPO法人e-Education 事務局長)
2011年、社会課題解決の取り組みの成果を競い合う国際コンペティション「SIFE(現Enactus)」国内大会優勝。同年、早稲田大学学生文化賞および稲魂賞を受賞。大学卒業後は、不登校生の高校進学・転学を支援する民間教育企業を経て、2015年5月よりe-Education事務局長に就任。2016年5月、TEDxICU登壇。http://eedu.jp/

 

ゲスト:嘉数菜利子
(認定NPO法人カタリバ ハタチ基金事務局担当)
1989年1月生まれの88年組。沖縄県八重瀬町出身。
立命館大学卒業後、都内のIT企業に新卒入社、営業職に従事。2014年5月、学生時代にインターンとして関わっていた認定NPO法人カタリバへ転職。東日本大震災の被災地の子ども達を継続的に支援する「ハタチ基金」事務局を主に担当している。准認定ファンドレイザー。https://www.katariba.or.jp/

 

ゲスト:佐藤希美
(公益財団法人日本財団学生ボランティアセンター(Gakuvo) 学生ボランティア派遣事業担当)
1992年生まれ。学生時代にNPO法人CFFのプログラムリーダー、事務局インターンとして、世界の厳しい立場に置かれた子どもたちの支援や青少年育成に取り組む。NPOサポートセンター主催のキャリアカレッジに参加し、2015年より現職に従事。現在は福島県や様々な災害の被災地に学生ボランティアを派遣している。http://gakuvo.jp/

 

ゲスト:佐藤祥子
(NPO法人NPOサポートセンター 人材育成事業担当)
1992年生まれ。幼少期7年間をタイで過ごし、通信制高校を経て法政大学に進学する。在学中に経験した東日本大震災をきっかけに、東北支援の学生団体を設立。一般企業を経て、2016年より現職。社会課題解決をめざす事業を対象とした「Good Business Studio」等の研修事業を担当。また、同団体が受託・運営する恊働ステーション中央では、社会貢献活動のコーディネートに取り込む。http://npo-sc.org/


就職前に知っておきたいNPOの現状

薄井大地(以下、薄井):
メディアによく取り上げられることもあって、NPOで活動している人は大企業をやめた高学歴の超エリートや、社会貢献したいボランティア、50代後半の早期退職者など3極のイメージがあると思います。私がNPOで働けるのかと尻込みされる方もいますが、実際には、本当に年代もキャリアもさまざまです。
どんな方がソーシャルセクターで働いていますか?

佐藤祥子
NPOは設立者の経歴にフォーカスされることが多く、NPO=すごい人がするものというイメージを持たれがちですが、実際は私たちのように「普通」の人も多いです!(笑)

薄井:ボランティアやプロボノとして関与するのではなく、なぜ転職を選んだのですか?また入職前後で感じたギャップはありますか?

佐藤祥子:前職がかなり忙しかったので、転職以外は現実的ではなかったです。なかなか、がっつり関わる時間が無くて。また学生のころにNPOと一緒に活動をしていたので、何となく現場の仕事のイメージが分かっていたことも転職を後押ししました。


(写真:NPO法人NPOサポートセンター 佐藤祥子さん)

嘉数菜利子(以下、嘉数):転職を考えている方はまずプロボノやボランティアから団体を知ることをお勧めします。多くの企業等と比較すると給与水準は高くないので、いきなり飛び込むのはハードルが高い方もいるはずです。
1-2年ほど関わってみてから、転職するのか、今の会社で働き続けるのかを考えられると、納得感も不安を減らすための代替案も検討でき、良いのではないでしょうか。

佐藤祥子:あと、NPOで働く女性はパートナーが安定した職業に就いているというイメージがあるようですが、私も含め独身で働いている女性も少なくないです。今は自分のキャリアを複数の仕事に活かす働き方もありますし、結婚していないと難しいということはないです。


(写真:3人が登壇したイベントで、トークを聞いてディスカッションをする参加者)

「N女」たちが描くキャリアとは 

薄井:今後はどんなキャリアを歩んでいきたいですか?

嘉数将来もソーシャルセクターで働いていきたいと思っています。いずれは地元の沖縄に帰って活動したい。今は将来を見据えてどこの団体でも必要とされるスキルや知識を身につけようと思っています。

佐藤希美
私は将来働いている場所がソーシャルセクターでなくてもいいと思っています。ソーシャルセクターも企業もそれぞれ働く上でメリットデメリットはあると思うので。将来的には企業のCSRや行政で地方の問題を解決するなど、トライセクターで働くのもアリかな。


(写真:公益財団法人日本財団学生ボランティアセンター 佐藤希美さん)

佐藤祥子:私も法人格に拘りはないです。現在は中間支援で全分野のNPOを対象に仕事をしていますが、いずれは関心のある分野に絞ってスキルを発揮できたらいいなと。

NPOの選考に進む上で大事なこと

薄井:最後の質問ですが、NPOの採用選考では何が重視されると思いますか?また、どんな人が活躍できると思いますか?

嘉数人事ではないですが、一次面接を担当させていただいた事がありました。まずは、募集しているポスト・役職に見合ったスキルやご経験等をお持ちかどうかを確認しますね。応募者がこちらのミッション、ビジョンに賛同してくれているか、意欲をお持ちかは非常に重要だと思います。


(写真:認定NPO法人カタリバ 嘉数さん)

佐藤祥子:ソーシャルセクターは業界単位で捉えられやすいのですが、一般企業に金融、食品などの業界があるのと同じように、分野や団体によって事業内容が異なります

個人的には、ボランティア経験などに加え、「他の団体ではなくなぜその団体なのか」といったことも考えておくとより良いのではと思います。
例えば私の場合は、数ある中間支援組織の中でも、特にNPO団体の経営支援と人材育成に関心があったので、今の団体を選びました。

活躍できるのは前のめりな人でしょうか。少人数、マルチタスクな状況下であっても、自分から出来ることを探して取り組む意欲はとっても大事だと思います。私たちも日々奮闘しています。

————–

いかがでしたでしょうか。まだまだ一般的とは言えないNPO就職・転職ではありますが、この記事から、その選択肢を少しでも身近に感じていただければ幸いです。今回登壇したN女たちは、10年後どんなキャリアを歩んでいるのでしょうか。それがソーシャルセクターであっても、そうでなくても――N女たちの前のめりな挑戦は続きます。
編集・構成:安田有美子(NPOサポートセンター)

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