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【story】自治体と協働で市民自治の地域を創る意義ーー協創プラットフォームづくり支援部門(地域協創事業)マネージャーインタビュー

 

NPOサポートセンターでは、地域協創事業のスタッフを募集しています。
日頃からどんな仕事を、どんな仲間と行っているか、その魅力は何か。
協創プラットフォームづくり支援部門(地域協創事業) マネージャー、協働ステーション中央 業務統括責任者の杉原志保に聞きました。

 

杉原志保
1975年生まれ。大学院時代は議員と連携し政策提言を行う。またフリーランスで全国の自治体の調査や行動計画策定を行う。それがきっかけで川崎市役所に入庁。行動計画策定や評価設計に携わる。そこでNPOの経営難に直面しNPO支援の道へ。かわさき市民活動センターなどを経て2014年から現職。協創プラットフォームづくり支援のマネージャーとして、地域協創事業を担当。自治体から委託を受け、協働ステーション中央の統括や、助成金申請や事業相談、行政や企業の間に立ちNPOとの協働事業の座組み支援やリソースのマッチングを行う。

 

NPOサポートセンターに入職してどのくらいになりますか?

2024年でちょうど10年になりますね。

大学院で政治学を学びながら、全国の自治体の男女共同参画に関する調査や行動計画づくりの仕事をしていました。それが実績となり、川崎市役所に専門調査員として入庁しました。全国の計画づくりを通して、市民からさまざまな地域課題を聞きました。DVシェルターを運営するNPOの資金難を知り、NPOの組織運営力強化を通して地域の女性のエンパワメントを支える今の道ができました。その後いくつかの施設で働き、今に至ります。

 

なぜ自治体、なぜ地域を対象に?

地域の市民自治、NPOの活性化に行政は欠かせないアクターだからです。今、地域の自治力はどんどん下がっています。人口減少や高齢化で地域課題解決をする担い手が減っているのに反して課題は複雑・多様化。行政サービスでは対応しきれない。それに対して、社会全体で社会貢献意識は高まっているし、地域で市民活動に関わりたい人は増えています。でもやり方がわからない、運営難で継続しない、広がっていかない。

自助・共助となる市民力を高めて地域を育てていかなければ、このままでは地域が倒れていく、困難を抱え安心して暮らせない人が増えていくと、日々の支援の中でも感じています。

 

日々どのような仕事をしているのですか?

地域協創事業では、地方自治体とパートナーを組み、施策や事業を通して、その地域のNPO等の運営を支援しています。

具体例を言うと、伴走型の相談支援ですね。団体の事業相談に応じています。運営課題や事業づくり、連携・協働についてのアドバイスやコーディネートを行います。
相談で「お金がなくて」と悩む団体に、ただ助成金情報だけを提供することはあまりないですね。資金難になる原因は何なのか。団体のビジョン・ミッションは明確か、実施している事業はそれらを達成するものとなっているか。NPOを支援したい・協働したい訪ねてくる企業や団体に信頼してもらえるだけの情報を揃えて発信しているか…など、様々な観点から団体の現状を把握し、一緒に整理していきます。

行政職員も相談に入っていますね。一緒に地域における事業展開を考え、活用できる行政の施設や制度、連携できる部署を紹介しています。
NPOが運営力を高め、協創して地域課題を解決する。そのための基盤を整えるのも行政の仕事です。日々の相談から見えてきたNPOに共通する運営課題を、行政とともに考えるのも私たちの仕事です。既存事業を見直したり新たな事業立案をサポートしたりしています。NPOを核とした市民自治、それによる地域づくりを進めるために、NPOと行政の間にたち、より良い施策を専門性を持って提案してもいます。実はここが一番重要なことではないでしょうか。私たちの仕事は自治体と一緒に市民主体の地域づくりを進める仕事なのです。

行政内部の協創推進、職員一人ひとりの理解の浸透も重要な役割です。そのために、係長級向けに研修も行っています。

 

自治体との仕事やNPO支援の中で、印象に残っている出来事はありますか?

5年以上前から一緒に事業を行う区で、団体への伴走支援の成果が高まり、関連施策も改善され、事業も予算も拡大したことは印象的というか、楽しくてワクワクしましたよね。

当時その区の団体相談件数は0件で、また、区民活動助成に申請してくる団体も、中長期視点を持たず事業を繰り返す団体が少なくありませんでした。行政との協働も進まなかったわけです。そこで助成申請団体を中心に徹底した伴走支援を行いました。私たち、行政職員、団体が一緒になって助成金終了後の未来を見据え、戦略を立て、事業をつくり、助成金を投資し、軌道修正しながら実践を重ねていった。それを各団体に行いました。

一緒に考え、運営問題を発見し改善の道筋を立て、必要な支援リソースを充当していく。その結果、各団体の運営力が少しずつ高まっていきました。事業の充実・発展を3者で悩んだり喜んだりを繰り返す。そうしているうちに、行政内部に繋ぐタイミングがでてくる。協働の実現です。団体の活性を支える施策の改善もしやすくなりました。今では、行政の受託や指定管理を受けるまでに成長した団体も出てきました。これはもう、うれしいですよね。皆がその地域を良くするためにそれぞれの立場でできる最善を尽くした結果ですから。

職員の方からも、団体と自治体とNPOサポートセンターが一緒になって団体の地域課題解決力の向上に取り組んだことで、漫然と施策を打っているよりも着実に育ったなと思える団体を数十団体も作ることができた。団体からの信頼を回復することができた、との言葉をいただきました。

自治体との仕事は成果が見えにくいです。事業の成果は1〜3年で見えてきますが、効果は少なくとも3年、5年はかかる。でも、粘り強く取り組むことで、地域がより良くなっていく。そのプロセスに立ち会うことができるのは、この仕事の面白さの1つですね。当団体のバリューに「現場の声を受け止め、ひとつ先の未来を見据えて共に行動します」「課題を構造で捉え、仕組みで解決します」がありますが、まさにその実現です。

 

仕組み化することは非常に難しく、時間がかかりますが、その現場は常に動いていて、トライアンドエラーの末に形になっていくのですね。
地域協創事業で一緒に働くメンバーや、職場の雰囲気はどうですか?

職員は、行政や企業からNPOに転身してきた人、ジェンダーやアート系、環境系のNPOに従事してきた人、企業とNPOの両軸を生業としている人など多様です。メンバー間ではチームとしての戦略や事業相談、企画について、意見交換を活発に交わしています。「自分と他者は異なる人である」「他者は自分を知らない」という前提に立ち、自分はどう思うのか、なぜそう思うのかを言葉にするコミュニケーションを心がけています。

マネージャーとしては、それぞれが主体性を持って働くために、1人ひとりの考えを聞き、個性や能力を活かせる機会はどこなのか、互いが配慮し合いながら気持ちよく働く環境を意識しています。

また、NPOサポートセンターでは定期的に人事面談を行いますが、生き方は働き方そのものだと思うので、自分はどのように生きていきたいのか、働いていきたいのか、キャリアプランに合わせて、活躍の機会を与えることもあります。お金をもらってチャレンジができるのですから、臆せず自分の考えを体現してほしい。組織として決まった型がないと言ったら語弊がありますが、ないなら作るし、よりよく変える。常に挑戦と成長の機会と思ってもらえるといいなと思いますね。

 

この仕事においてどのようなスキルや考え方が大切だと考えますか?

物事を俯瞰して見る力は大切です。
地域をマスと見る行政の視点、NPO経営者としての視点、地域住民の視点…初めから全てが身に付いている必要はありませんが、それぞれ見えているものやゴールや関係者が違う、それぞれに利害があるという現実を直視し、その間に立ちながら常に先にあるより良い地域像を見据え、全体地図を描き、道筋を提案し続ける必要があります。その上で、関係者や協力者、今でいえば行政に取り組むべき事業を提案したり、NPOが見逃している視点を与えたり。目先のことにとらわれず、利害にもとらわれず、一貫してゴールを見据え、提案していくことが大切だと思っています。

そういう意味でアイディア豊かに提案を実行に移す意欲ある方とご一緒したいです。
誰しも最初から経験などないわけです。試しながら形にしていくことが許されている。地域とは実にクリエイティブで鷹揚なものなのです。時代によっても人によっても変化する生物(なまもの)で、正解などありません。そんな中で、自分も勉強しながら、失敗を恐れず新しい提案をしてみること、どうすれば相手は納得するのか、自ら考えて行動することを期待しています。泥臭い取り組みにどれだけ向き合えるかーー行動する。それが一番の信頼の早道だと思います。

 

最後に、求職者の皆さんに一言お願いします!

私たちの事業は、地域全体で課題解決が進むことを推進することを通して、NPOサポートセンターがめざす「どんな課題も放置されず、解決への希望が持てる社会の実現」をめざしています。皆さんが中間支援で何を果たしたくて、これまでの経験をどう活かせるか、皆さんなりの考えを伺えると嬉しいです。お会いできることを楽しみにしています。

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▼募集要項、詳細はこちらから(締切:5月10日まで)
https://npo-sc.org/main/news/career202402/

▼スタッフ質問&オフィス見学会の開催(要申込み)
NPOサポートセンター職員が、地域協創事業・チームの雰囲気・働き方などに関する質問にお答えします。オフィス見学もあり(オンラインの場合は動画視聴による見学)。募集要項ページに掲載の「オンライン採用説明会」動画を視聴してのご参加を推奨します。

・対応期間 : 2024年4月30日(火)〜5月4日(土)/5月7日(火)〜9日(木) 10:00〜19:00(土日祝含む)

・参加方法 :
(1)協働ステーション中央(中央区日本橋小伝馬町5-1十思スクエア2F、東京メトロ日比谷線「小伝馬町駅」徒歩4分)
(2)オンライン(ZOOM)

・所要時間:30分程度

・申込み方法
下記内容を記載の上、govs@npo-sc.orgまでメールにてお送りください。
※件名に「スタッフ質問&オフィス見学会申し込み(地域協創事業)」と明記してください。
※日時について、追って担当者より連絡させていただきます。
(1)氏名
(2)電話番号
(3)希望の日時(3候補日を明記)
(4)希望の参加方法(協働ステーション中央 or オンライン)

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