NPOサポートセンター 特定非営利活動法人

お知らせTopics

NPOサポートセンターの最新ニュース

新体制記念 “新理事” プロジェクト第1弾!NPOサポートセンターがトリプルコラボの特別番組「事業承継の夜明け!迫りくる日本の跡継ぎ問題」を放送

新体制記念 “新理事” プロジェクト第1弾!NPOサポートセンターがトリプルコラボの特別番組「事業承継の夜明け!迫りくる日本の跡継ぎ問題」を放送

2019年6月、NPOサポートセンターは創業以来の理事会を大刷新する新体制になりました。今回、新理事担当プロジェクト第1弾として「トリプルコラボの特別番組制作」が実現しました。生放送動画のアーカイブ、さらに番組メイキング資料をぜひご覧ください。

遊ぶ・学ぶ・働く・そして人生を変える「NPOサポートセンターナビ」 – Youtube (35分)

NPO法成立から20年が経過した現在。NPO黎明期の創業者の高齢化も進み、休眠・解散法人が増加中のNPO業界。これは『後継者問題』に悩む一般社会でも同様です。その現状を様々なデータをから浮き彫りにし、また、今後予定される施策も紹介しながら、この春、見事にその世代交代を果たしたNPOサポートセンターの事例を踏まえ、後継者問題の今後に迫る番組です。NPOの世代交代に取組んでいる方のみならず、これから悩みはじめて取組もうという皆さん必見です!

目次

中小企業の10年後の現実

MC 石山城(以下、JOE) : はじまりました「遊ぶ・学ぶ・働くそして人生を変える NPOサポートセンターナビ」。NPOやソーシャルグッドな活動に尽力している方々をゲストにお招きしお役立ち情報を届ける番組です。

栄えある番組第1回のゲストは、NPOサポートセンターの新たな代表理事であり、多摩大学経営情報学部教授の松本祐一さんをお迎えしました

遅れましたが、わたくし番組の MC 兼プロデューサーの JOE です。

いま、跡継ぎ問題、後継者不足問題がNPOに限らず、高齢化が進んでいく日本全体を取り巻く社会問題になっています。この状況をご紹介いただいてもよろしいでしょうか。

松本祐一(以下、松本) : よろしくお願います。今日はNPOがテーマですが、本題の前に日本全体、中小企業の状況をご紹介します。

 

松本 : 経営者のボリュームゾーンが、20年間で40代から60代に移ってきています。しかも、70歳を超える中小企業・小規模事業者の経営者は、約245万人います。そのうち約半数の127万人が後継者が未定。この数は日本企業全体の3分の1です。

すごい数字だと感じられると思います。中小企業がなくなると、雇用が失われて働ける場所が少なくなり、経済全体に大きな影響を与えます。

もう少し身近に考えると、例えば近所の小さなお医者さんがなくなったら、高齢者の人が歩いて病院に行けなくなってしまう。

ある神社の近くに美味しい蕎麦屋がありました。神社にお参りした後にその蕎麦屋が楽しみだという人にとってそこがなくなってしまうと、単純に蕎麦屋がなくなるだけではなく、一つの観光資源が無くなってしまう。

事業承継の話は、私たちにとっても身近な問題です。

JOE : 地方のシャッター通り商店街の問題は、不景気だけが原因じゃないんですよね。

NPO法人の1割が休止・解散の危機!?

松本 : 日本のNPO法人数は、2019年現在で5万を超えています。1998年のNPO法の成立以降、法人数は増え続けていましたが、2018年から純減しています。

実は休止・解散危機かもしれないNPO法人が、6,791法人あるかもしれない調査結果が出ました。NPO法人全体の約13.1%の数です。

NPO法人は所轄の監督官庁に毎年事業報告書を提出します。3年間提出がないと、NPO法人の認証取り消しが行われる可能性があります。

さきほどの6,791法人は3年未満、事業報告書の提出がない法人数です。何かしらの理由や問題があって提出できていない。潜在的に、休止・解散の危機があるのではと考えられます。

増える「高齢代表」のNPO業界

松本 : そして事業承継の問題です。NPOの代表者は、65歳以上が全体の58.8%で6割近くです。これは中小企業と同様、かなり高齢化が進んでいます。

さらに右のグラフは、現在の代表者が何代目かという調査結果です。初代つまり創業時の代表者が57.1%です。NPO活動をスタートしてから同じ代表者のまま事業が続き、高齢化している状況です。硬直化していると言うことができるかもしれません。

スムーズな世代交代に悩むNPO

松本 : そして60歳以上の代表者の80%以上が世代交代をしたいと考えています。

松本 : ところが、60.2%が世代交代の準備が進んでいない。

進まない理由は、「適切な候補者が見つからない」が5割、「準備する余裕がない」が2割です。なんとか世代交代したいと思いつつも、取り掛かれてない現状が調査からわかります。

JOE : 毎日が手一杯。聞くも涙語るも涙の現状ですね。色々な数字が浮き彫りになりました。

今回松本さんは、NPOを支援する日本最初の民間の中間支援組織として、25年以上の歴史のあるNPOサポートセンターの新しい代表理事に任命されました。

思い切った世代交代が行われた経緯、改めて代表理事になるまでのエピソードをお話しください。

事業承継事例 : NPOサポートセンター

NPOサポートセンター 新理事会(2019年6月)

松本 : NPOサポートセンターの代表の世代交代は結構長い時間をかけました。

私が最初にNPOサポートセンターに関わったのは、NPOサポートセンターが行っているNPO向けのマーケティング研修で講師を行ったのがきっかけでした。

当時、前代表で創業者の山岸秀雄(以下、山岸)から理事になってくれないかと話があり、私に出来ることがあればということで2013年にお引き受けしました。

理事になった1年目、NPOサポートセンターの事業構造を変えたいと相談を受けました。

NPOサポートセンターの事業構造は、収入の90%が行政からの委託事業でした。つまり単年度の事業を回していく形になります。来年度の予算立てが見えない状況でした。

事業構造を変える相談が2013年なので、今回の世代交代まで6年かけて今に至っています。

JOE : そんなに長く準備していたんですね。代表の高齢化問題がある中で、これから5年かかると考えると長いですね。

松本 : 当然ながら最初から私が受け継ぐという話があったわけでもないです。

JOE : そうなんですか!

松本 : コンサルタント的にNPOサポートセンターがどういう組織で、どういう状況なのかを見ながら、理事としてサポートしていました。最初に行ったは合宿です。

合宿でスタッフの人たちと、私たちの問題点を議論をしました。一番良くわかったのは、色々な意味で当時代表の山岸に頼り、依存していることが見えてきました。そこからどう脱却していくのか。かなり時間をかけながら考え始めたのが、世代交代のきっかけでした。

NPOサポートセンター 社内合宿(2013年5月)

JOE : 創業者オーナーにありがちな話ですね。突っ走って気がついたら周り後継者がいない状況に。そこの掘り起こしから始まったんですね。

では、6年前の2013年の合宿から、2019年6月に代表理事の交代、理事会刷新の完全な世代交代は、具体的にはどうやって進めて、決めていきましたか。

松本 : 当時の理事会は、前代表の山岸と一緒に立ち上げた同じ世代の方々、70代が中心でした。NPOサポートセンターは事務局主導の組織です。つまりスタッフが考えて、事業を回していく。もっと理事が様々な形で運営に関与し、具体的に事業に関わることのできる方々を探していきました。

様々な分野でのプロフェッショナル、NPOで活躍されている方、企業の世界で活躍されている方々が理事候補に挙がりました。候補者とスタッフが、実際に会ってお話を聞いた上で、この人とならやれるんじゃないかと議論をして決めていきました。

JOE : 理事会刷新の議論の真ん中にいられて、松本さんは代表理事になる覚悟はされていましたか。話し進めていくうちに俺かな?と思っていましたか。

松本 : そういう雰囲気はひしひしと感じていました。しかも2017年に、正式に山岸から代表交代のオファーがありました。その時は断ったんですね。

本業で私は大学教員なので理事はできても、やはり代表を務めるのはあまりにも重い。20年以上の歴史ある組織の看板は重い。受け継ぐのは相当なプレッシャーでした。

中途半端なことはできない。これまでの積み上げたものをなくしてしまうかもしれないという不安が大きく、なかなか踏み切れないというのがありました。

JOE : 余談ですが、代表理事就任はご家族の賛成を得るのも難しかったと。

松本 : そこに触れますか(笑)。

JOE : やはり大きな看板を背負ったり、町の蕎麦屋しかり、後継者をお願いできないかと頼まれたとき、何がきっかけで俺がやろうと思えたのですか。ご家族への言い訳を含めて(笑)、一番背中を押したきっかけは何ですか。

松本 : 言い訳というか、私の伝え方も悪かったと思います。当然、彼女(妻)は非常に心配してくれました。本業の大学教員が忙しい中で、今回の大役はやはり反対されました。

やる理由づけは色々できるます。例えば、本業のテーマに関連するNPOの研究に役に立つ等。でも結局、「やるべき」とか、自分が適任で「やれる」からではないと思いました。実は理事会の当日まで揉めていて。

JOE : えっ(笑)。

松本 : 最後には、自分が「やりたい」と思っていると気づいたんですね。覚悟というか、うまく伝えることはできませんが、やりたい気持ちが「やるべき」や「やれる」という意識よりも強かった。

JOE : そう思われ最大の理由は何ですか。創業者からの強烈なお願いだったのか。それとも次の世代として期待される50代(アラフィフ)の覚悟とか。様々な要因がある中で1つあげるとしたら何ですか。

松本 : NPOという世界への恩返しがありました。

私は学生時代にNPOで色々な経験をさせてもらって、そこから道が開けた。社会に出ていくことや、仕事とは何かをNPOから学びました。何かこの業界に恩返しをしたい。

まさに今回の番組名の、遊んだり、学んだり、働いたり、そして自分を変えるということをやれるNPOをなんとか盛り上げていきたい。山岸たちがつくり上げた世界を完全には引き継げないかもしれませんが、色々つなげていきたいと思います。

JOE : 恩返しと自分がやりたい気持ち。今回の理事の面々はかなり個性的なので、そこでまた新しい時代、事業承継がされる予感がありますね。

NPOの事業承継 支援の現状

JOE : 話題を戻して、NPO業界の事業継承問題です。現在、中小企業には事業承継のあらゆるサポートがあります。NPOサポートセンターとして、NPOの事業承継支援、窓口受付の予定などを教えてください。

松本 : 私たち自身が事業承継を行っていく中で、この経験を多くの人に伝えていきたいです。まだまだ色々な事業承継の方法があると思っています。

左のグラフは、実際に代表者交代したNPOで、89.6%が外部の支援を活用しなかったと回答しています。

さらに、代表者交代の準備で1番多いのは「理念や目標の確認・共有」、2番目は「法人内部への周知」でした。多くは非常に内向きな準備だとわかります。

一方で、NPOサポートセンターが行ってきたように、事業承継のためには変わらなきゃいけないことがあります。この調査の1割少しの「組織の変革・見直し」、「定款の変更」です。

世代交代は組織が変わるチャンスだと捉えています。NPOサポートセンターは、世代交代をしたいNPOと、事業構造そのものを変えていきたいと考えています。

潜在的に多くのNPOが、どこから変わったらいいか悩むと思います。やはりスムーズに世代交代していくためには、時間がかかります。1年でできるものではありません。我々も6年かかりました。そこを焦らず、順番に物事を進めていくためには、それを客観的見てくれる外部の目が必要です。

JOE : そのあたりをまるっとNPOサポートセンターでは支援メニューの準備を進めていくそうですね。

松本 : はい。まずは事業承継を考えている人たちとお話をして、何ができるか、何がサポートできるかを、今後一緒に考えてできたらと思います。

こういった悩みのあるNPOの皆様は、私たちにご連絡ください。私たちと一緒にこの課題を共有しましょう。そこからスタートできればと思います。ぜひよろしくお願いします。

遊ぶ・学ぶ・働く・そして人生を変える「NPOサポートセンターナビ」 – Youtube (35分)

スペシャルメイキング : 番組制作資料集

番組内で紹介したように2019年6月、NPOサポートセンターは理事会を刷新する新体制になりました。新理事には具体的に事業に関わる方々が就任しました。

新理事であり、TV番組プロデューサーの石山城さん協力のもと、今回の番組制作が実現しました。番組に必要な企画書や絵コンテ、台本などの制作資料の準備から、番組の配信現場の進行まで、プロの技と視点を総動員してバックアップいただきました。公開している番組制作資料もぜひご覧ください。

高いクオリティの番組配信環境は、新理事の石山さんの紹介からお付き合いが始まり、非常にお世話になっている VoiceJapan の高橋さんの技術協力で実現しています。生放送配信の技術や機材環境、番組を構成するオープニングムービーとエンディングから、テロップやフリップ、音楽まで支えていただきました。今後も、動画配信の専門家の高橋さんの強力アドバイスを受けて発信される、NPOサポートセンターの動画配信プロジェクトに乞うご期待ください。

新理事の石山さん、VoiceJpanの高橋さん、充実した素敵な番組制作をありがとうございました。今回の番組制作プロジェクトをこれからも展開していきたいです。これからも、どうぞよろしくお願いします。(NPOサポートセンター 笠原)

企画 / プロデューサー / MC : 石山城(JOE ISHIYAMA PLANNING OFFICE. Inc / NPOサポートセンター理事)

制作 / オペレーター / 技術 : 高橋茂(株式会社VoiceJapan 代表取締役)

NPOサポートセンターナビ : 絵コンテ ver.1.0

NPOサポートセンターナビ : 番組進行台本 ver.1.0

番組概要
2019年8月29日(木)18:00生放送
番組名 : 遊ぶ・学ぶ・働く・そして人生を変える『NPOサポートセンターナビ』
テーマ : 第1回 事業承継の夜明け!迫りくる日本の跡継ぎ問題
出演 :
・松本 祐一(NPOサポートセンター 代表理事 / 多摩大学経営情報学部教授)
・川田 史郎(NPOマーケティング コンサルタント)
制作 : NPO法人NPOサポートセンター × 株式会社VoiceJapan
企画 : JOE ISHIYAMA PLANNING OFFICE. Inc
技術 : 株式会社VoiceJapan

出演者の松本さん、川田さん、制作チームの皆さんありがとうございました!

本件に関するお問い合わせ
講演依頼・番組制作・事業承継相談のご案内
法人名 : 特定非営利活動法人 NPOサポートセンター
設 立 : 1993年
所在地 : 東京都港区芝4-7-1 西山ビル4階
電 話 : 03-6453-7498(担当:笠原、佐藤)
メール : gbs@npo-sc.org
サイト : https://npo-sc.org/

一覧へ戻る

トップページ