活用事例

NPO法人となりのかいご様

専門性のある外部のサポートを活用し、本来注力すべき事業に集中する【NPO法人となりのかいご様の導入事例】

こちらは2019年12月時点の記事です。登場人物の所属・役職は記事作成時点のものです。

NPO法人「となりのかいご」は、「家族を大切に思い一生懸命介護するからこそ虐待してしまうプロセスを断ち切る」をミッションに、介護する側の家族を支える取り組みをしています。

代表理事の川内潤さんは、介護の現場で働いていたとき、在宅介護において介護をひとりで抱え込み過ぎたことにより、心身ともに余裕を失い、介護を受ける家族に手を上げてしまう場面に直面したことをきっかけに団体を立ち上げました。

2008年に活動を始め、2014年にはNPO法人化し、介護に関するセミナーの開催、介護離職防止のための企業向けアドバイス、企業の社員向け個別相談会などに取り組んでいます。2018年には、書籍「もし明日、親が倒れても仕事を辞めずにすむ方法」を出版し、誰もが自然に家族の介護に向き合える社会を目指して活動を進めています。

となりのかいごは、代表理事の川内さんが中心となってほぼ一人でセミナー講師などの事業や団体運営を行っています。事業が拡大していく中、2018年1月よりNPOサポートセンターのバックオフィスサポートサービス(以下、B-SAPO)を導入しています。その経緯や導入後の変化などを川内さんに伺いました。

自分が取り組むべき事業に注力するためにB-SAPOを導入

 

となりのかいごでは、代表の川内さんが企業セミナーや社員向けの個別相談会など団体としての事業だけでなく、会計など事務作業も担っていました。2014年NPO法人化後、支援件数は増え続けており、2018年は年間講演件数64件、個別相談数は379件になりました。

川内:B-SAPOを導入した2018年初は、企業からセミナーなどの依頼が増えてきて、会計や請求などの事務作業に手が回らない状況になっていました。

私には介護に関するセミナーや個別相談など注力すべき仕事があり、それ以外の会計業務などは信頼できる外部にお願いできないかと考えるようになりました。

私がやっているのは、直接的に人と関わって支援する仕事です。それは自分の気持ちに余裕がなければできません。「人の支援」と「事務作業」では使う脳みそが違うと思っています。両方が得意で苦にならない人もいるかもしれませんが、自分はそうではないので自然と外部の力を借りようと思いました。

となりのかいご 代表理事 川内潤さん

事務代行業者は市場に多数存在する中で、なぜB-SAPOを選ばれたのでしょうか。

川内:以前、NPOサポートセンター主催の研修に参加した際に、チラシをもらってB-SAPOのことを知りました。一般企業向けの事務代行業者もありますが、NPO実務の知識がありNPOの事情を汲んでくれるB-SAPOにお願いすることにしました。

 

専門性を持ったB-SAPOスタッフに安心して任せられる

2018年1月よりB-SAPOを導入し、会計領域の支援から始まりました。事業拡大に伴い会計の作業量も増え、効率化のためにクラウドの会計ソフトfreeeを利用し始めたタイミングでした。

川内:会計はミスがあってはいけないし、外部にも影響が出る可能性があるので、B-SAPOに支援をお願いしました。

B-SAPOとの役割分担や運用方法を一緒に検討し、今はfreeeと連携しているクレジットカードや銀行口座からの仕訳登録については私が行い、B-SAPO担当者には複合仕訳になるような仕訳の登録や会計データ全体の確認をしてもらっています。 

自分自身としては一従業員として経費申請をしている感覚で、とても省力化できて楽になりました。先日も航空券のキャンセル料の振り込みがあった時に、会計的にどう処理をすればよいのかが分からなかったのですが、B-SAPO担当者が適切に処理をしてくれて助かりました。

自分もそれほど会計に詳しくないので、NPO運営の専門性・ノウハウを持ったB-SAPO担当者が確認してくれているので、団体を経営する立場としても安心感がありますね。

企業からの依頼で社員向けに介護に関するセミナーを開催

となりのかいごでは、企業向けのセミナーや社員向けの個別相談を行っており、対法人だけでなく個人とのやりとりも生じます。それらの管理に顧客管理ツールのSalesforceを導入されていました。

川内:数年前にSalesforceを導入したのですが、ずっと利用していない時期がありました。もったいないし、案件も増えているのできちんと活用することにしました。

となりのかいごで行っている個別相談では、秘匿性の高いたくさんの個人情報を扱わなければなりません。Salesforceは安全に情報を扱えて、どこからでも情報を確認できるのでとても便利です。

先日も介護の相談を受けている方に偶然お会いしたことがあったのですが、いつどんな話をしたのかその場で調べて話ができるので、信頼関係の構築にも役立っていますね。

となりのかいごでは、セミナー開催や企業社内誌へのコラム執筆、請求書発行など対応しなければならない案件毎の作業進捗管理もSalesforceで行っています。B-SAPOでは運用代行だけでなくITのサポートも行っており、となりのかいごでより利用しやすいように、Salesforceの改修を行いました。

以前は案件の完了後に都度川内さんが請求書を発行していましたが、Salesforceで請求情報も管理できるようになり、2019年夏からはB-SAPOでSalesforceの情報をもとに請求書発行を行うようになりました。

となりのかいごとB-SAPOの役割分担イメージ

 

川内:請求書発行は忙しい中で対応が遅れてしまったり、都度金額を調べたりして手間がかかっていました。B-SAPOでのSalesforceの改修後は、案件の情報を入力すれば、B-SAPO担当者に請求書を発行してもらえるので楽になりましたね。

また、団体の目的や業務内容を理解した上で、業務改善の提案をいただけることもとても助かりました。

 

情報共有の仕組みを作って、個人型からチーム型へのステップに

会計の仕訳入力や請求書発行をB-SAPOに依頼するようになり、川内さんには気づいたことがあるとおっしゃいます。

川内:これまでは自分の頭の中だけで記憶しているものが多かったと痛感しました。自己完結するならよいかもしれませんが、記憶できる量も限界がありますし、今はB-SAPO担当者とも役割分担をしているため、記録をきちんと残そうと思うようになりました。

記録を残すことが情報を整理するきっかけになるし、スタッフが増えた場合に必要となる情報共有の仕組み作りにもなっています。ずっと個人経営でやっていましたが、スタッフが増えてチーム型へ変化していくステップの一つと感じています。

川内さん(左)とB-SAPO担当の小堀(中央)・田中(右)

「単に介護に関する情報提供が目的ではなく、家族による虐待を防止することが目的」という川内さんは、セミナーや個別相談だけでなく、実態調査や事業による効果測定にも取り組む計画をしています。既存の事業に加えて、新たな取り組みも進めていく中で、B-SAPOに対する期待を教えていただきました。

川内:やらなければならないことが多くある中で、自分のやることが減るのは単純にありがたいです。そのために自分がやるより上手く、安心して任せられる人にお願いするのは大事だと思いますね。

まだついつい自分で抱えている仕事もあるので、今後もっとB-SAPOにサポートをお願いできればと考えています。

NPOのバックオフィス業務の支援を行う「 B-SAPO 」の詳細が気になった方はぜひお気軽にお問合せください。

 

団体名 NPO法人 となりのかいご
設立年月日 2014年10月(2008年10月活動開始)
組織規模 1,842万円(2018年度収入)
スタッフ数 5名(2019年11月時点)
webサイト http://www.tonarino-kaigo.org/
事業概要 「家族を大切に思い一生懸命介護するからこそ虐待してしまうプロセスを断ち切る」をミッションに、介護に関するセミナーの開催、介護離職防止のための企業向けアドバイス、企業の社員向け個別相談会などに取り組む。

非営利組織向けの業務改善や事務支援に、
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