活用事例

認定NPO法人ウィメンズ アクション ネットワーク様

外部サポートを活用した持続的な組織運営へ転換 認定NPO法人ウィメンズ アクション ネットワーク様の導入事例

※こちらは2020年8月時点の記事です。登場人物の所属・役職は記事作成時点のものです。

認定NPO法人ウィメンズ アクション ネットワーク(WAN)は、女性のための情報を提供し、活動をつなぐオンラインサイトを運営する団体です。WANサイトが目指すのは女性が自由に活躍できる社会をつくるためのゆるやかで力強いネットワークの形成。オンラインサイトを通じて、女性たちのさまざまな活動から生み出される情報を届け、全国のさまざまな団体・グループの動きを互いに結びつけることで、女性の活動をさらに実効性のあるものにしています。

全国規模のネットワークであるWANは、2009年の設立以来、各地のボランティアメンバーによって運営されてきました。しかし2013年に認定NPO法人となり、会員数も増え(2020年7月現在約700名)組織が成長するにつれ、事務量も多くなってきました。2019年よりNPOサポートセンターのバックオフィスサポ―トサービス(B-SAPO)の利用を開始し、現在は事務局業務の多くにB-SAPOを活用しています。

法人担当副理事長の伊田久美子さんに、B-SAPOの利用を決めたいきさつや、利用後の変化について伺いました。

 

B-SAPOの活用について語る、法人担当副理事長の伊田久美子さん (オンラインで取材に応じて下さいました)

ボランティア運営から脱皮する時期を、B-SAPOなら支えてもらえる

WANは2009年のオンラインサイト運営開始以来、全員ボランティアの理事やスタッフによって運営されてきました。しかし会員が次々に増え、2013年には認定NPO法人となる中、ボランティアのみでは運営が難しくなってきたといいます。

伊田:2013年から認定NPO法人となったこともあり、事務局業務をすべてボランティアだけで運営することが難しくなってきました。同年から事務局業務を別の団体に委託しましたが、その団体のメンバーはWANのボランティアでもあった方々でした。そのためボランティアと委託業務の区別がつけにくく、お互いに遠慮してしまったり、委託の範囲を超えた仕事をして下さったりしたこともありました。

この体制では継続が難しくなってきたので、完全に団体の外部で、WANの活動趣旨を理解してくれる委託先を探すことにしました。そんな中、理事の一人から紹介されたのがNPOサポートセンターのB-SAPOでした。

複数の選択肢を検討しましたが、B-SAPOに委託する決め手となったのは、業務の定義や見積もりが詳細で明確だったことです。明朗会計で、料金もリーズナブルでした。会計をはじめ、NPO運営に関する知識を十分に持つB-SAPOのメンバーから色々と教えてもらいながら、WANがボランティア運営から脱皮する時期を支えてもらえると思いました。

また、WANはオンラインサイト運営が主な業務のため事務所を構えていなかったので、B-SAPOのバーチャルオフィスサービスを利用できることも判断材料の一つとなりました。

B-SAPOの利用を開始した時は、理事長の上野が東京大学の入学式式辞で一際注目され、WANへの問合せや入会者数も急増して事務量が増えた時期でしたので、よいタイミングで利用を始められたと思います。

女性と女性の活動をつなぐポータルサイト「WAN」について説明する、理事長の上野千鶴子さん

会計、会員・寄付者情報管理、Salesforce導入…多岐にわたるB-SAPOメニューをフル活用

現在、WANでは会計業務、会員・寄付者情報管理、会員向け郵便物の発送、総会関連事務などをB-SAPOに委託しています。B-SAPO利用開始にあたり、WANとNPOサポートセンターでは事務局運営上の役割分担を整理しました。また、会員・寄付者情報管理システム「Salesforce」の導入も行いました。

伊田:WANでは会員との直接のやりとりを担当し、B-SAPOには日常的な会計や決算の業務、会員情報の管理、総会の案内状・委任状の送付や管理などをお願いしています。

ありがたかったのは、会員・寄付者情報管理に活用できる「Salesforce」のNPO向け寄贈サービスを紹介してもらい、導入もサポートしてもらえたことです。混乱していた情報を一元管理できるようになり、情報の修正なども簡単になりました。

B-SAPO担当者とは細かく報告・連絡を取りながら業務を進められています。次の業務時期を見越して早めに連絡を頂く、確認事項をスプレッドシートで一覧化していただくなど、細やかなサポートに助けられています。

 

外部サポートだからこそ、団体にとってメリットが大きい

B-SAPOの利用により、WANの事務の整理と効率化は大きく進みました。また「B-SAPOが完全に団体外部からのサポートだからこそ得られるメリットも大きい」と伊田さんは語ります。

伊田:B-SAPO担当者と一緒に業務の整理を進め、また改善策の提案も受けたりするうちに、以前は必要以上に入り組んでいた事務フローや帳票がすっきり整理されてきました。例えば団体内部での経費精算の書類一つとっても、様式がシンプルになり、申請に必要な情報も整理されました。こうしたことがボランティアにかける負荷は少なくないので、関係する皆が楽になりました。

B-SAPOを利用してみて、団体外部から会計や事務をしっかりと見てもらえることの良さを感じます。経理の規模も大きくなってきたので、B-SAPOに管理やチェックをしてもらえるのは安心です。事務を整え、いつでも正確な情報を公表できる状態にしておくのは、NPOが信頼を得るために大切なことだと思います。以前、WANのボランティアを兼任するメンバーによる団体に委託していた時に比べると、完全に外部から入ってもらい事務を分担しているからこそ、依頼業務に対するコストもはっきり分かりますし、要望も遠慮せずに伝えられます。

これまではオンラインサイトの運営業務で手一杯でしたが、B-SAPOを利用し始めてからは法人としての運営もしっかりと出来るようになりました。信頼できるサポートを提供いただき、ありがたく思っています。

WANサイトでは、フェミニズムに関する数多くの情報を丁寧に集め公開している。

 

支援者とのコミュニケーションを増やし、団体運営の世代交代も見据えたい

B-SAPOの利用を経て、事務局運営の安定化に手応えを感じている伊田さん。今後は、支援者とのコミュニケーションの向上や、団体の世代交代も見据えた運営を考えているといいます。

伊田:WANに対する会員や寄付者からのご支援に応えるためには、運営するオンラインサイトの成果を詳しく伝えていくことが大事です。今回導入したSalesforceをもっと活用して、会員向けニュースの配信などの情報提供や、会員からのフィードバックの管理などを進めていきたいです。

これからWANは運営の世代交代もしていく時期になりますが、若い世代の方に「善意を引き継げ」と押し付けるのではなく、合理的で、持続できる形で活動を引き継いで行きたいと思っています。若い世代の貧困などの課題も大きくなっている今、WANの活動が一つの支えになれるようにしていきたいのです。

NPOのバックオフィス業務の支援を行う「 B-SAPO 」の詳細が気になった方はぜひお気軽にお問合せください。

 

団体名 認定NPO法人 ウィメンズ アクション ネットワーク(WAN)
設立年月日 2009年5月21日 設立、2013年2月13日 NPO法人となる
組織規模 1,333万円(2019年度収入)
メンバー数 理事・ボランティア 約30名(2020年8月時点)
webサイト https://wan.or.jp/
事業概要 男女共同参画社会実現に寄与することを目的として、女性の情報や活動の相互交流の場を提供し、女性のネットワークの構築と、女性のエンパワーメントに寄与する事業を行う。

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