活用事例

公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン様

B-SAPOは仕組みを考えるだけでなく、一緒に手も動かし業務改善をサポートしてくれる【公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン様の導入事例】

※こちらは2024年3月時点の記事です。登場人物の所属・役職は記事作成時点のものです。

公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン(以下、CFC)は、家庭の経済格差による子どもの教育格差を解消し、貧困の世代間連鎖を断ち切ることを目的として活動を続けている団体です。2021年には法人設立10年を迎えています。主な活動として、経済的な困難を抱える子どもたちに、塾や習い事、体験活動等で利用できるスタディクーポンを提供しています。

2020年からはNPOサポートセンターが提供する「NPOバックオフィスサポートサービス」(以下、B-SAPO)をご利用いただいています。今回は、CFCの広報・ファンドレイジング部山本雅(やまもと・みやび)さんに、B-SAPO(ビーサポ)ご利用の背景やその後の変化についてお伺いしました。

(聞き手:B-SAPO担当者)

インタビューの様子(左:CFC山本さん、右:B-SAPO担当の森)

◆ B-SAPOへのご相談の背景


──本日はよろしくお願いします。まずはじめに、B-SAPOに当時ご相談くださった背景についてお聞かせいただけますか?

山本 : CFCでは以前からSalesforce(セールスフォース)(*)を導入していました。
(*) Salesforceは、会員・寄付、イベント参加等の支援者情報やその他の各種業務に関する情報等をクラウド上で一元管理し、活用できる営業支援・顧客管理アプリケーションです。《出所:Salesforce導入・活用サポートプログラム

スタディクーポンを提供しているお子さんや大学生ボランティアの情報管理、個人・法人の寄付者の情報管理などで活用しています。一方で、Salesforceの活用をさまざまな業務に広げていこうとする中で、改善が必要な場面も出てきました。

しかし、CFCスタッフも通常業務がある中でその改善に取り組んでいたこともあり、なかなか進まない状況が続いていました。22年度は「絶対に今年度中にやりきろう」ということでプロジェクトを立ち上げて進めていたのですが、やはり途中で「このままでは改善が完了しない」という危機感が生じ、「人手も知識も足りないからサポートしてくれる人を探そう」と、B-SAPOにお声かけさせていただきました。

──B-SAPOにお声かけくださった理由についてもお伺いできればと思います。

山本 :
以前、別件でNPOサポートセンターの方にお世話になったことがあったのですが、そのときの対応がスムーズだったことを覚えていました。またそもそもとして、NPOサポートセンターのみなさんはNPOについて詳しく、ほかの団体の事例もよくご存じでいらっしゃるので、とても信頼できると思っていました。

あと、B-SAPOの料金が、とても高いというわけでもなかった、というのも理由のひとつでした。

 

寄付金を原資に経済的困難を抱える家庭の子どもたちに「スタディクーポン」を提供しています(スタディクーポンの取り組みより) 

 

◆ B-SAPOへのご依頼内容


──続いて、B-SAPOへの当時のご依頼内容についてお聞かせいただけますか?

山本 : ひとつは、Salesforce上での「マンスリーサポーターに年に一回お送りする領収書の設定」についてでした。

また、同じくSalesforce上で「法人からの寄付や商談の管理方法」についても相談させていただきました。チーム内でルールを決めて、「法人のご担当者とどんなやりとりをしたのか」「どこまで予算の達成ができているのか」といったことをもっと精緻に管理できるようにしたい、というのが背景にありました。

そのほか、「Salesforceの運用手順書の作成」もお願いしました。スタッフの人数が増えていく中で、「みんなで同じルールが共有されている状態を目指そう」というのと、手順書を作成するプロセスの中で、「フローとして詰め切れていない部分を発見していこう」というのが背景にありました。

スタディクーポンの取り組み・ポイントその1:現金給付と異なり、スタディクーポンの使途を教育プログラムに限定できるため、子どもたちに確実に教育の機会を届けることができます(©Natsuki Yasuda)

 

スタディクーポンの取り組み・ポイントその2:学習・文化・スポーツ・体験活動などの多様な選択肢の中から、子ども自身がやりたいことを選ぶことができます(©Natsuki Yasuda)

 

スタディクーポンの取り組み・ポイントその3:大学生ボランティアが定期的な面談を通して学習や進路の相談に応じ、子どもたちが安心してクーポンを利用できるようサポートしています(©Natsuki Yasuda)

 

◆ サポートの様子とその後の変化


──B-SAPOのサポートの様子はいかがでしたでしょうか?

山本 : 最初に現状の課題を相談させていただきました。その後、残されたタスクを洗い出していただき、それぞれに締切も設定した上で、とても明瞭な進行表・スケジュールをつくっていただきました。

そして、CFC、B-SAPOの双方でその進行表を共有しながらやりとりをしていました。

やはり組織内部だけで取り組もうと思っても、どうしてもシステムの改善は後ろ倒しになりがちです。しかし、B-SAPOのサポートがあったことで、スケジュール通りに進めることができたと実感しています。

──B-SAPOのサポートを受けた後、なにか変化などはありましたでしょうか?

山本 : 最近、新しいスタッフが増えたのですが、引き継ぎのときに変化を感じました。運用手順書(マニュアル)を活用しながら引き継ぎができるようになったことで、情報の伝え漏れがなくなり、どのスタッフに対しても同じ情報を共有でき、引き継ぎ自体がスムーズになったと思います。

また、わたし自身、マニュアルに書かれている業務フローをつくった側でもあるのですが、特に「年に1〜2回しか発生しない業務」の場合、どうしても詳細までは覚えていないこともあります。そのようなときには、マニュアルを読み直すことで業務の詳細を思い出すことができるので、とても役立っています。

──もしそのほかにも、なにか変化などありましたら、ぜひお聞かせください。

山本 : マニュアルの手順通りに行うことで、業務や作業について、間違えることなく・正確なものを・大量に進められるようになりました。

また、Salesforceの活用がさらに広がったことで、作業時間も短縮できています。たとえば、年に一回マンスリーサポーターにお送りする領収書に関しては作業時間が半分以下に削減できました。また、ある特定の条件の方々にだけイベントのご案内等をお送りしたいとなった場合でも、そのリストを一発で出せるようにもなっています。

さらに言えば、そのような時短を実現できたことで、寄付者さんとのコミュニケーションや長期的な寄付の戦略を考えることに、いままで以上に注力できるようになりました。

 

CFC山本さん

 

◆ B-SAPOのサポートを受けての感想


──サポートを受けての感想もお伺いできればと思います。

山本 : 改善が進んだことで、組織としてSalesforceをしっかりと使えるようになっています。その環境を一緒に整備し、完成までサポートしてくださり、本当にありがたいと思っています。

しかも、一緒に作業をさせていただく中で、スタッフ自身もSalesforceについて詳しくなりました。

また、いままで以上に正確な業務ができるようになり、非常に大きなサポートだったと感じております。

──ありがたいお言葉をいただき、とても嬉しく思います。最後の質問ですが、もしB-SAPOをほかの団体にオススメするとしたら、どんなNPOにオススメされますでしょうか?

山本 :まずは人手が足りていない団体にオススメしたいと思います。

B-SAPOがほかのサービスとは異なっていると感じたのは、「専門知識のある方に、実際に一緒に手を動かしていただける」というポイントでした。専門知識を持って自律的に動いていただけることと、一緒に手を動かしていただけることを両方兼ね備えたサービスというのは、じつは結構めずらしいのではないかとも思っています。

実際、現場で足りていないのは「手を動かす人」だったりします。期間を区切って、仕組みを考えるところから手を動かすところまで、実際に一緒に取り組んでくださるというのは、現場としてはとても価値のあることだと思います。

ですので、本当に人手不足に困っている団体にとって、B-SAPOは非常に適しているのではないかと思います。

──山本さん、本日は貴重なお話をありがとうございました。

 

B-SAPO担当の森

 

NPOのバックオフィス業務の支援を行う「 B-SAPO 」の詳細が気になった方はぜひお気軽にお問合せください。

 

団体名 公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン
Chance for Children, Inc.
設立年月日 2009年11月1日
特定非営利活動法人ブレーンヒューマニティーの事業として発足
2011年6月20日
一般社団法人チャンス・フォー・チルドレン設立
2014年1月6日
内閣総理大臣より認定を受け、公益社団法人となる
組織規模 3億3千万円(2022年度収入)
メンバー数 常勤職員 20名(2024年3月時点)
webサイト https://www.cfc.or.jp
事業概要 主に経済的な理由によって教育を十分に受けることができない子ども、若者(以下、子ども等という。)及びその家族に対する支援活動を通じて、貧困の世代間連鎖を断ち切ることを目的としています。

(1)子ども等に対する学校外教育を受けることができる利用券(学校外教育バウチャー)の提供
(2)子ども等に対するアドバイザーの派遣
(3)学校外教育機関及び子ども等の支援機関に対するコンサルテーションの実施
(4)子ども等に関する調査研究及び政策提言の実施
(5)子ども等に関する事業の受託及び子ども等に関する施設等の管理運営
(6)子ども等を支援する他の団体に対する助成事業
(7)前各号に附帯する事業及び関連する事業

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