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新規開拓に力を入れるあまり、寄付者へのお礼は滞っていませんか?カタリバの、マーケティングオートメーション Marketo (マルケト) 導入事例

「どんな環境に生まれ育っても『未来は創り出せる』と信じられる社会へ」をビジョンに活動する認定NPO法人カタリバは、これまで全国約22万人の生徒にキャリア学習プログラム「カタリ場」を届け、被災地の放課後学校「コラボ・スクール」ではのべ2,000人の子どもたちの日常の学びをサポートしてきた団体です。

東日本大震災から5年の2016年、子どもたちへの寄付につなげるファンドレイジングキャンペーンが大きく成長し、毎月定額寄付者の「サポーター会員」が3,000人を超えました。

一方で、寄付をいただいた方へのご連絡、対応に限界を感じていました。スタッフ数を増やすことができないまま、対応が滞っている現状をなんとか改善したいと、強い問題意識をもったカタリバは、マーケティングオートメーション(以下、MA)と出会いました。

MAツール導入によるファンドレイジング業務の改善と、これからのMAツール活用の可能性を、広報・ファンドレイジング部 マネージャーの川井さんから詳しく伺いました。

寄付者へのお礼が、追いつかない状況に悩んでいた

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認定NPO法人カタリバ 広報・ファンドレイジング部 マネージャーの川井さん

川井さんが所属する広報・ファンドレイジング部は、寄付者の新規開拓、入金管理、お礼対応のご連絡、定期的な活動報告など、寄付者とのコミュニケーションを中心にした多岐にわたる業務を行っています。特に効率化を進めたい業務がお礼のご連絡でした。

川井「お礼のご連絡が遅れていた原因は、手作業によるメール送信でした。寄付者3,000人の目標を超えることができましたが、寄付者対応、コミュニケーションが追いつかなくなる業務課題が発生しました」

MAツール導入前までの寄付者のお礼メールは、セールスフォースを活用して手動で送信していました。寄付キャンペーンを年に3、4回実施するカタリバでは、レターやお知らせを郵送して、寄付のお願いをしており、ご寄付をいただいたら、お礼のメールを送っています。

働いているスタッフの人数は変わらない中で、寄付者の数が増え、お礼のご連絡が滞り、困っていた時に紹介されたのが、NPOと支援者 / 募金者のエンゲージメントを構築支援するMAツール『Marketo』でした。

ファンドレイジング実務と掛け合わせた、MAツールの導入

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MAツールで作成、配信されるカタリバのメールマガジン

2015年12月、ファンドレイジング業務効率化を目的に導入が始まります。初めの1ヶ月は、川井さんを含めた広報・ファンドレイジング部の2人と、ダイレクトマーケティングに強い元カタリバスタッフを外部アドバイザーに、業務課題の洗い出しと、MAツール活用の目的整理をしました。

同時期に、 Marketo (マルケト)のNPO導入サポートの方に週1回のペースで、MAツールで実現できること、機能や操作方法のレクチャーを受けました。整理した目的、ファンドレイジング業務に合わせて、MAツールの設定方法のアドバイスを受けました。メール配信設定、寄付者になるまでのステップや追いかける指標の設定等です。

団体内の2人のシステム担当に、セールスフォースのデータや、メール配信運用の仕組みをMAツールに移管してもらい、2016年2月に、ターゲット毎にカスタマイズしたメールコンテンツの配信が開始されました。

MAが支える寄付者対応、業務の仮説検証サイクルDSC_6758

MAツールで公開準備中のwebページを紹介する川井さん

川井「カタリバは活動地域や取り組みなど、特徴のある複数のプログラムを実施しています。寄付いただいた方の関心あるプログラムに合わせて、3,000人を超える寄付者に、1~2名体制で、手動でお礼のご連絡をするのは現実的ではありませんでした。でもMAツールの導入で、寄付いただいた方の意向に合わせて、お礼メールをお送りできるようになりました」

メール配信だけではなく、入金管理や寄付者とのコミュニケーションでも活躍していると川井さんは語ります。MAツールには寄付者の行動履歴が積み重なっていくため、寄付者からの問合せ内容の原因を調べたり、入金データが合わなくなったときはログを追いかけることができ、社内での情報確認時間が短縮されています。

川井「オンライン広告経由で寄付申込みがあった方に、こちらから郵送した銀行振替の登録用紙を返送いただくためのステップメールも、MAツールで送っています。寄付したいという熱が高いうちに、用紙の返送を思い出していただくために、配信間隔やメール開封等の返送アクションが起きやすい傾向などを、MAツールでテスト、データを蓄積して返送率の向上を検証しています」

他にも、MAツールから配信されたメールを寄付者の方がクリックすると、その方の寄付実績にカスタマイズされた、動的なwebページの準備等も進めているようです。

広報・ファンドレイジング業務全体でMAが活躍する

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MAツール の今後の活用を語る川井さん

2018年2月現在は、マネージャーの川井さんだけでなく、メールマガジン担当者、イベント担当スタッフもMAツールの活用を始めています。今後、日常的に使うことができるスタッフを増やしたいと川井さんは語ります。

川井「今後は、細かく寄付いただいた方の興味関心などに合わせて、ご連絡をとれたらと思っています。webサイトを訪れた方、メールをご覧いただいた方の行動に準じて、支援熱が高まったタイミングでコミュニケーションをしたいです。まだやれていないことはたくさんあるし、広報・ファンドレイジング業務全体に、MAを浸透、活用していきたいと考えています」

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本記事は「認定NPO法人カタリバ」、「株式会社マルケト」の協力により企画されました。