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このNPOのICT活用がすごい!2018、2019 年間ファイナリスト NPO11団体 #NPOにもっとITを

NPOサポートセンターでは、NPOのICT活用の年間アワードを決める「NPOによるICT活用自慢大会」を開催しています。本大会の、これまでの大賞受賞者とファイナリスト、11団体の活用事例を一挙にご紹介します。

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目次

【 大賞 】

NPO法人 Chance For All

NPO法人 チャリティーサンタ

【 スポンサー特別賞 グッド DRM 賞 】

NPO法人 エイズ孤児支援NGO・PLAS

【 2018年ファイナリスト 】

認定NPO法人 育て上げネット

NPO法人ドットジェイピー

NPO法人 OVA(オーヴァ)

NPO法人 ネオ

【 2019年ファイナリスト 】

NPO法人 アビリティクラブたすけあい

認定NPO法人 カタリバ

認定NPO法人 かものはしプロジェクト

NPO法人 Nature Service

【 大賞 】

■ NPO法人 Chance For All

残業が大量発生していた、学童保育から保護者へ出す「お便り」作成の効率化、「保育記録」の頻度を上げることで、こどもの成長を可視化した事例です。

kintoneを活用することで、紙で印刷して配布していた「お便り」作成業務の効率化を実現。保護者に子どもたちの情報共有もできるように。クラウド化された連絡帳なら、保護者はスマホから確認でき、写真なども共有できる。長文のやり取りもできるように。

成果として保護者からの「ありがとう」が増えました。保護者からの反応がリアルタイムで得られるようになり、保育士のモチベーション向上にも。

お便りを毎日を出すには、紙だとありえませんでしたが、ありえないを実現できたことICT活用が高く評価されました。

 

■ NPO法人 チャリティーサンタ

全国34支部、400名のボランティアでクリスマスにプレゼントを届ける活動をしている団体です。クリスマス前は、事務作業が膨大になってしまう課題がありました。事務作業解決のためにkintoneを導入した事例です。

WordPressのフォームとkintoneを連携。マイページを作成して、親御さんが自分の情報を編集できるように。GmailやWordpressと連携してマップ情報や親御さんとのやりとりもスムーズに。

ICTツールの導入で業務の効率化だけでなく、本来やりたい「子どもたちとのワクワクした時間」にもっと使うことを実現したICT活用として、高く評価されました。

 

【 スポンサー特別賞 グッド DRM 賞 】

■ NPO法人 エイズ孤児支援NGO・PLAS

ICTサービスを「サービス活用」ではなく、経営戦略に位置づける。このサービスで何ができるか?ではなくこの課題を解決するにはどうすれば?という発想で考え抜かれた事例です。

CRMの導入は、マルケト(マーケティングオートメーションツール)+セールスフォースで一人ひとりに合わせたコミュニケーションを実現し、データ作成も自動化しています。実際の成果につながる前に支援者のデータによる可視化や、業務効率化などにしっかり時間をかけています。

 

【 2018年ファイナリスト 】

■認定NPO法人 育て上げネット

定量的根拠をもとにした社会課題解決の提言を可能にした、電子データシステムの導入事例です。

年間で80,000人以上の若者に関わっていましたが、支援現場の情報はすべて紙で、情報活用には時間と手間が負担に。行政への書類やデータの提出も、支援の日程をつぶしてまで大量の紙からデータを探す作業に充てていました。

システム導入により、活動の成果を数字で表すことが可能に。それにより行政に働きかけることができ、制度にもなりました。システムを導入したい、ヒアリングしたいという省庁もでてきました。

 

■NPO法人ドットジェイピー

全国25支部を展開、在籍大学生は500人、本部職員は5名の団体です。1名体制の担当者の本部ルーティン業務の自動化、支部をセルフサービスで運営することを目指した事例です。

支部運営を支える基盤はGsuite。全国の25支部はすべてクラウド。物理的な事務所はなく、すべてオンライン会議等ですすめています。

予算管理や会計管理はセールスフォースと会計freeeを活用し、2,500人のインターンにマイページを提供。日報をはじめ基本的にインターン生自身で入力する仕組みを構築しています。

 

■NPO法人 OVA(オーヴァ)

ICTが可能にした、孤立する自殺ハイリスク者への測定可能なアプローチと、リモートチームで対応する事例です。

ウェブで「死にたい」と検索すると、広告で死にたくなったあなたへ、というページを訴求し、相談ができるようにしています。

相談の仕組みは7つのツールを使い、リモートチームで対応を可能にしています。世界でも前例のないICTを活用したハイリスク者にアプローチする仕組みです。

 

■NPO法人 ネオ

精神障がい者の方の自己決定を支援している和歌山県の団体。ICTサービスの利用が急務でした。

利用者さんと家族の方の情報は非常に大切な情報で漏洩対策が必要であり、訪問事業において往復2時間かかる山の中にも行くので、訪問先で効率的に記録できるようにした事例です。

クラウドによる支援情報管理はサイボウズのKintoneやメールワイズ。タスク管理、スケジュール共有、支援記録などを実施しています。ローカルデータとクラウドデータをうまくつないで連携させています。

 

【 2019年ファイナリスト 】

■NPO法人 アビリティクラブたすけあい

サイボウズLive 終了に伴い、サイボウズOffice の導入・乗り換えした事例です。

「難しくないこと」、「事務局による徹底したサポート」、「運用ポリシーを決めること」を大切にされています。例えば、サイボウズLiveで使っていた用語をサイボウズofficeでも使えるようにし、豊富な機能をあえて使わず、画面に表示させるものを減らすなど。

会議日程の共有、会議資料の共有、掲示板などで主に活用。ICT化することで、資料の印刷代とインク代で約70万削減に成功。また、グループウェア上に資料が共有されていることで担当者以外でも答えられることが増え、属人化が解消されています。

 

■認定NPO法人 カタリバ

事業拡大が続くカタリバは、日本全国にメンバーが離れており、気軽にコミュニケーションが取れなくなる課題が生まれていました。LINE WORKSを導入し、組織内のコミュニケーション量が激増した事例です。

チャットツール導入ポイントは、最初から全員がつながっていること、安心安全でストレスフリーな状態を作ることがポイント。

さらに、メンバー同士による自発的なグループがどんどんと出来上がり、新しいメンバーが入ってきたら勉強会を企画するなど、組織に変化が生まれました。

 

■認定NPO法人 かものはしプロジェクト

認定NPOの更新準備を進める中で契約書の管理方法の見直し、電子契約ツールの導入、既存サービスとの連携強化をされた事例です。

子育て中の職員が増え、リモートワークの機会が増加。オペレーションを対応させる必要性が高まった背景がありました。リモートワークで、契約書管理が難しくなり、電子契約サービスHolmes(ホームズ)を導入。

馴染みのあるチャットツールを中心に電子契約の締結フローを整備。郵送費・印刷代の50%削減、契約に関わる工数を90%削減、いつでもどこでも確認できるようになりました。早いと作成から締結まで2~3時間で完了しています。

 

■NPO法人 Nature Service

集客・顧客サポートの最大化、ほぼ自動化し、地元の目線とよそ者の目線、ICTを使い、キャンプ場の運営・活性化をした事例です。

草刈りと接客以外のすべての業務にICTを活用。顧客の予約管理などの他、監視カメラや気象観測装置や雨量計などをICTサービスと連携。情報はすべてクラウドに集まり、キャンプ場から離れたオフィスにいながらも管理ができます。

「たぬきが通った」、「あそこで雪が崩れた」の検知、湿度が下がると「山火事に注意してね」など、チャットでメッセージが飛んでくる仕組みです。

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いかがでしたでしょうか?みなさまの大会エントリーのご応募とご協力で、感動するNPOのICT活用が業界に広がり続けています。本当にありがとうございます。

2020年2月1日の締切りで、2020年の「第3回 NPOによるICT活用自慢大会」のエントリーも受付中です。

第3回大会は新たな賞「ファンドレイジング戦略賞」「PR・アドボカシー賞」「新ツールチャレンジ賞」を増設しています。大賞はもちろん、各部門賞を狙ったICT活用事例で、ぜひご応募ください。

「ここに載っていないやり方でわたしたちのNPOはICT活用をしている」、「知り合いのNPOのICT活用事例に驚いた」など、ぜひみなさんの【 このNPOのICT活用がすごい 】も教えてください。