プロジェクト、事業の展開・継続のために寄付集めをはじめたい、もっと支援者とつながりたいと思ったことはありませんか?
そんなときって、SNSを活用した新しい寄付キャンペーンの企画を考えたり、オンライン寄付決済の仕組みを見直したり、毎年応援してくれる大切な支援者の皆さんと連絡を取ったりと、時間がいくらあっても足りなくなることもあったかもしれません。
今回ご紹介するのは、初期、月額費用ともに無料、クレジットカード寄付の決済手数料5%と非常に安価、任意団体も利用できて、プログラミングの知識不要でスタートできるオンライン寄付のプラットフォーム「 Syncable (シンカブル) 」です。
なんと Syncable は寄付の決済システムだけでなく、新しい支援者参加の入口を広げる企画や、一緒に寄付を集める仲間を巻き込む企画等を、SNSやWEBですぐに立ち上げて実行することができます。ファンドレイジングに関する複合的な機能提供が魅力で、サービス開始1年半で220団体以上に選ばれています。
Syncable は、あらゆる非営利団体にとってオンライン寄付決済の仕組みを当たり前にして、寄付をする人、寄付を集める人を巻き込んで団体の寄付集めの可能性を超えることに挑戦しています。
非営利団体の寄付集めに特化したサービスを開発
Syncable を始めた株式会社 STYZ の代表取締役 田中さん(右)、共同創業者 佐藤さん(左)
Syncable を始めたのは、株式会社 STYZ の代表取締役 田中さんです。共同創業者の佐藤さんと2016年12月末にサービスを開始しました。
起業当時の田中さんは、別のサービスをやりたいと考えていました。ソーシャルイシューをテーマに人が集まるコミュニティ機能を提供し、例えばLGBTの問題や自転車放置問題など個別のテーマの解決に取り組むことができるサービスでした。
田中 : β版でサービスを運用する中で、コミュニティ内でソーシャルイシューを解決しようとアイデアは集まるものの、それを具現化するための事業主体者や資金をどうするかがネックでした。
同時に事業主体者になりうるNPOでは、オンライン寄付決済を始め、WEBの活用があまり進んでおらず、情報の広がりも欠けているとわかり、まずはNPOと支援者のコミュニティを作ろうと現在のサービス Syncable の開発に舵を切りました。
日本の個人寄付総額の約7000億円のうち、インターネット経由は現状20%程度と言われています。各NPO団体が、オンライン寄付を受け付ける環境をつくることで、寄付がさらに集まると田中さんは考えました。
田中 : Syncable リリース時点ですぐに活用してくれる団体が決まり、サービスの改善点も明確になりました。立上げたばかりの団体は喜んでもらえる反面、月額利用料がハードルになりそうだったので、無料にしました。すでに寄付決済システムをwebサイトにもっていた団体は、「個人間 ( Peer to Peer ) 寄付」の構想に可能性を感じてもらえました。
Syncable はソーシャルイシューに取り組む資金不足の課題を解決するために、あらゆるNPOがオンライン寄付の決済システムをもって走り出せるよう無償提供でスタート。好感触を得た個人間 ( Peer to Peer ) 寄付の構想は、「バースデー・ドネーション」機能としてリリースしました。
日本で珍しいファンドレイジング複合サービス
株式会社 STYZ のコミュニティディレクター 池田さん(右)
Syncable は、NPOのファンドレイジングのためのプラットフォームです。団体登録をすると、団体ごとに寄付フォーム付きのオンライン広報ページが完成します。
Syncableのファンドレイジングの機能は単純な広報ページの提供だけではありません と同社のコミュニティディレクターの池田さんは語ります。
池田 : 大きく3つの軸のファンドレイジング手法で活用いただいています。団体の情報発信力で集める方法、個人のSNSの力で集める方法、物品寄付で集める方法です。
誕生日を迎える人がファンドレイザーとなって寄付を募るためのキャンペーンページを作ることができる「バースデー・ドネーション」機能、使わなくなった洋服やブランド品の買取額をNPOの寄付にできる「 Brand Pledge 」など、 Syncable 登録団体はファンドレイジングの新しい企画を次々に実現できます。
オンライン寄付の基本機能は全て揃っています。クレジット決済機能、単発寄付、毎月定額寄付、年会費の決済にそれぞれ対応し、寄付者が金額を自由入力可能で、支援者情報をCSVダウンロードできると同社のファンドレイジング・コンサルタントの堤さんは語ります。
堤 : 基本機能だけでなく、個人が寄付しやすいユーザーインターフェイス(以下、UI)に力を入れています。寄付をしたいと思った衝動が冷めないよう、スマートフォン対応はもちろん、ECサイト並みに入力しやすいフォームで離脱を防いでいます 。数あるNPO向け決済フォームの中で、寄付者にとって最も使いやすいデザインを目指しています。
徹底した寄付者目線でサービスを提供することが、NPOの資金不足を解決し、関わる人が増えてムーブメントにつながると Syncable は信じています。
バースデー・ドネーションでNPOが個人間 ( Peer to Peer ) 寄付を企画できる
Syncable に登録すると活用できるバースデー・ドネーション機能
複合的なファンドレイジングサービスの提供、個人が寄付をしやすいUI設計、個人の誕生日が寄付のきっかけになる「バースデー・ドネーション」が、NPOだけでなく活動を応援する個人からも支持を集めています。
池田 : 人の可能性が広がる瞬間を捉えるウェブメディアを運営する NPO法人 soar(ソアー)は、NPOの代表、スタッフのバースデー・ドネーションを見て、支援者がキャンペーンを始める連鎖が起こっています。
バースデー・ドネーションから、単発寄付だけでなく、継続的な毎月定額寄付につながるケースもあり、予想を超える結果も出ています。
池田 : 個人の誕生日だけでなく、団体や施設設立日、記念日でも活用できます。がんになった人とその家族や友人をサポートする認定NPO法人マギーズ東京は、代表の鈴木さんが、ご本人の乳がん告知日から10年目を迎えるキャンペーンを企画しました。がんになると手術を受けた日を新たな自分が生まれた「セカンドバースデー」としてお祝いをし感謝する文化があります。それが寄付キャンペーンの形になりました。
これまでは寄付をする人と、社会課題を解決する人で分かれていたような気がしていたと池田さんは振り返ります。社会課題の解決には特別な人でないと参加できないのではないかと。
バースデー・ドネーションのような「個人間 ( Peer to Peer ) 寄付」は、その境界が見えなくなって、寄付者も課題の解決側にまわることができることができる。そこが Syncable の一番好きなコンセプトですと池田さんは教えてくれました。
ファンドレイジング「戦略と手法」の両輪が大きくなる
株式会社 STYZ のファンドレイジング・コンサルタント 堤さん
ファンドレイジング・コンサルタントの堤さんは、オンライン寄付決済導入のハードルの低さも、NPOが魅力に感じてくれていると教えてくれました。
堤 : Syncable は、任意団体も登録ができます。他の決済サービスだと承認がおりなかったケースが多かったのではないでしょうか。
日本・アフリカで活動する国際協力NGOのコンフロントワールドは、任意団体の段階からマンスリーサポーター(毎月定額寄付者)をSyncableで集めていました。2018年1月にNPO法人化したタイミングで、すでに50人以上のマンスリーサポーターがいる環境でスタートすることができました。
ファンドレイジング戦略における各ステークホルダーへのアプローチの可能性も広がると堤さんは語ります。
堤 : 寄付の取組みに力を入れている国立成育医療研究センターは、将来的な寄付者層にアプローチをするために、洋服物品寄付の専用ページを作成し「 Brand Pledge 」機能を活用いただいています。多くの人に参加してもらうことを見据えて、支援者の入口を広げています。
バースデー・ドネーションは、寄付をし続けてもらうだけでなく、寄付者が寄付を集める側になって、ステークホルダーピラミッドの階段をもう一段上がってもらうことができます。
Syncable は、寄付をしたいと考えるユーザーの状況、想い、タイミングに合わせた参加方法を提示できるし、本来はどのNPOもそうするべきで、寄付を集めるための戦略作りと手法をこれからも広く提供していきたいと堤さんは語ります。
ちゃんと人を巻き込んで、その人たちを大事にできるNPOとご一緒したい
写真左から、株式会社 STYZ の堤さん、池田さん、田中さん
池田 : バースデー・ドネーションキャンペーンは、寄付者が団体を応援する気持ちをSNS上で可視化することで、NPO のソーシャルイシューへの原動力、強さになることを知ってほしいです。
通常、寄付者からの応援メッセージややりとりは、団体内、寄付者対応の担当者でしか共有されてないと思います。Syncable をきっかけに、自分以外の寄付者の想いがわかって、支援者同士で共感、コミットがあがり、活動が続くパワーが生れる企画を作ってほしいと思います。
堤 : WEBサービスやITツールは本来、リテラシーや地域格差、資金循環の差を埋めていくはずでした。ITに強くレベルの高いNPOだけが伸びて、そうじゃない団体の現状の格差を徹底的に解消したいです。
あらゆるNPOにとってオンライン寄付決済の環境を当たり前のものとし、活動の成果などより本質的な部分でNPO同士を比較できる環境を作っていくことを Syncableで実現したいと考えています。
田中 : Syncableが目指しているのは、自分たちの手で社会を良くするんだというムーブメントが自然発生的に起こる世の中です。そのために、まずはそのきっかけとなる寄付の入口をどんどん広げていきたいと思っています。
NPOの情報発信力に頼るだけでは限界があると感じていますし、NPOの皆さんも同じような悩みを抱えていると思います。NPOの周辺にいる個人が力を発揮できる、寄付者ユーザー目線のサービスを今後も展開していきます。いろいろな人が流れることで、コミュニティが力強く接点を作り、生きづらさを感じる人の可能性の広がりにつながると信じています。
活動資金の獲得はもちろん、それと同じようにお金以外のリソースをバランスよく得ることができる、「個人間 ( Peer to Peer ) 」領域に今後も注力していかれるようです。
寄付のプラットフォーム「 Syncable 」の詳細が気になった方は、ぜひ株式会社 STYZにお問合せください。
本記事は「株式会社 STYZ 」のご提供により企画されました。