情報の一元管理と指標の可視化を「セールスフォース」で実現――公益社団法人シャンティ国際ボランティア会(SVA)
(C)Yoshifumi Kawabata
・ 複数のデータベースがひとつに。
・ 重要な数字を、一目でわかるように。
・ データは団体の持つ「宝」です。
10 種類以上の社内データベースに悪戦苦闘していました。
Salesforce導入前は、団体内に複数のデータベースが存在していて、主に使用するデータべーとして「寄付者管理」「経理」「広報」があり、それ以外にも年賀状送付先リスト、会報送付先リストなどの業務ごとのデータベースも存在していました。また、データベースを扱える人間が限られ、一時期社内でデータベースを扱える人がいなくなってしまったこともありました。寄付者管理データベースが基本のデータベースとなっていたのですが、寄付実績のないイベント参加者などは広報データベースにのみに登録され、また住所等の情報はそれぞれのデータベースで重複して管理されていたため、どれかひとつのデータベースで変更が生じても、他のデータベースには反映されていませんでした。そのため、過去の連絡を年賀状で受けた後、10年間会報を送っていたという事例もありました。支援者からの連絡やクレームに対しても、情報の一元化ができていなかったため、その支援者との関係性が把握できず、支援者に合わせた丁寧な対応ができませんでした。その結果、支援が減り、スタッフのモチベーションも下がっていました。
10種類以上あった団体のデータベースをSalesforceに集約することで、各事業ごとに散らばっていた支援者データが一元管理できるようになり、支援者に合わせた円滑なやりとりが実現しました。
次のアクションを決定できる「追いかける数字」を可視化
以前は、データベースが一元化されていないことで、寄付実績の分析をする際は寄付者管理データベースを一旦Excelにエクスポートしてから他のデータベースのデータと結合して行わなければならず、手間がかかっていました。Salesforce導入後はレポート機能を使い、44種類の分析レポートを作成し、「寄付キャンペーンごとの明細表」(例:夏募金、東日本大震災)、「個人支援者の分析」(例:都道府県ごとの分析)や「大口寄付者リスト」(例:年間寄付額500万円以上の寄付者)、「新規支援者の推移」などの数値を即座に把握できるようにしました。
レポートの画面。既存レポートや作成したレポートがフォルダに分類して格納されている。
また、「ダッシュボード」の活用により、ダイレクトメールの成果や会員数等、活動の進捗状況が、目標に照らし合わせてリアルタイムで見えるようになりました。その結果、目標を達成するための施策をタイムリーに打ちだすなど、次のアクションにつなげやすくなりました。ダッシュボードの画面
導入の効果・感想
支援者とのコミュニケーションの充実をはかりや資金調達を円滑にしたいといろいろな施策を考えている団体も多いかと思います。新しいチャレンジをすることも大切ですが、手元にあるデータは団体の持つ「宝」です。答えは足元にある、ではありませんが、まずはデータを生かすかを考えることをお勧めします。ダッシュボードやレポートを使って、経理が入金処理をするたびに数字の達成度がわかる仕組みがSalesforceにはあります。冬の募金などが終わってから達成しなかったことを反省するよりも、期間中にリアルタイムで結果が見え、途中で施策を打ち、軌道修正することも可能です。皆でデータベースを活用した成功事例を増やしていきましょう。団体名 | 公益社団法人 シャンティ国際ボランティア会1981年12月 |
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設立年月 | 1981年12月 |
組織規模 | 602,636,289円(2010年導入時) 496,378,397円(2011年度) *支出・経常費用計 |
スタッフ数 | 48名(2010年導入時) 66名(2012年12月現在) |
ウェブサイト | http://sva.or.jp/ |
事業内容 | SVAの活動は、タイ国内の都市スラムや農山村、ラオスやカンボジア、ミャンマー(ビルマ)難民キャンプ、そしてアフガニスタンに展開しています。アジアの子どもたちへの教育・文化支援を通じて、地球上のあらゆる人々が、お互いの違いを尊重しあい「共に学び、共に生きる」シャンティ(平和)な社会の実現をはかります。 |