重要業績評価指標を「セールスフォース」でリアルタイムに管理――認定NPO法人フローレンス




・ 「集計・グラフ化」機能に感動。
・ 上司への報告業務「24時間/月」を削減。
・ 不確実性を伴うプロジェクトに対応。


フローレンスの事業は「病児保育問題」の解決
働く親をもつ子どもたちは、ふだんは保育園に通園しています。でも、風邪、胃腸炎などの病気、おたふくや水疱瘡などの感染症にかかると、集団保育の場である保育園では預かってもらえません。 

“本当は仕事を休んで看病したいけど、今日はどうしても外せない仕事が…”
“看護休暇を使って看病しても、長期におよぶ感染症にはさすがに対応しきれない。”
子どもが病気をするのは当たり前、成長には必要なプロセスなのに、病気の子どもを預かってくれる場所は、保育園に比べて圧倒的に少ないうえに使いづらい…。

フローレンスは、こうした子育てと仕事の両立の前に立ちはだかる「病児保育問題」の解決に取り組んでいます。“こどもレスキュー隊員”と呼ばれる病児保育のプロを各ご家庭に派遣し、働く親に代わって保育を行う仕組みで、朝8時までのリクエストには100%対応しています。


企業とおなじように業務ツールを導入する
2004年、代表理事の駒崎さんは、とあるきっかけでSalesofrce.comの社員さんと出会います。もともとITベンチャー企業の経営者であった駒崎さんは、一般企業でも使われているSalesforce製品の確かさに加え、非営利団体向けに無償でライセンスが提供されていることを知り、導入を即決。インターン生とともに自らも簡単なカスタマイズを行い、2005年のサービスインから、病児保育を必要とする親御さんやお子さんの情報を管理しはじめました。以降、事業の成長を見据えて積極的にSalesforceのカスタマイズを重ね、事務作業を効率化しつつ、サポートするご家庭の数を増やすことに成功しています。


質の高いサービスを提供するために「数字集計」が大変でした
病児保育は、季節によって保育件数(需要)の波が大きく変化します。いつどこで、どれだけの病児保育が発生するかを事前に予測をすることもできません。こうした不確実性を前提に、限りなく病児保育の要請に応えていくには、常に「こどもレスキュー隊員(保育スタッフ)の数」と「病児保育保育サービスを受けられる会員数」のバランスを保つ必要があります。また、いつでも質の高い保育を提供するために、それぞれのこどもレスキュー隊員がどれだけ保育をしているか、特定のこどもレスキュー隊員に保育が偏っていないか、といった「稼働率」の管理が欠かせません。

フローレンスでは、「こどもレスキュー隊員数」「会員数」「稼働率」を「重要業績評価指標(KPI)」として定め、週ごとにPDCAサイクルを回しています。例えば、会員数に対してこどもレスキュー隊員の数が不足しそうなら、採用広告の予算を上げ、広告媒体を増やす。特定のこどもレスキュー隊員に保育が偏っている場合は、なるべく他のこどもレスキュー隊員の稼働を上げるように調整する、ということを毎週行っています。このようなKPIに必要な複数のデータをSalesforceに入力し、集計することで算出を実現しました。 フローレンスの課題は、これらのKPIを計算するために、毎週4~6時間もかかっていることでした。Salesforceに蓄積されているデータを一旦エクセルに出力し、担当者がエクセルで集計・グラフ化を行っていたのです(図1)。

図1




導入の効果・感想
こうした「社内報告のために時間が使われている」状態を解消するため、もともとSalesforceに備わっている「集計・グラフ化」の機能を活用することにしました。

例えば「保育時間が多いこどもレスキュー隊員 上位10人」という条件でデータを集計し、さらに、その集計結果をグラフで表示(図2)。グラフ化された情報は直感的に分かりやすいので、どのこどもレスキュー隊員の保育時間が一番多いか、ということをパッと見ただけで把握できるようになりました。また、一度条件を設定しておけば、条件に合致するデータが登録される度に集計結果も更新されるので、リアルタイムでKPIの数値が把握できるようになりました。

こうして、社内報告業務に費やされていた月約24時間を、会員対応や、こどもレスキュー隊員のサポートに回せるようになりました。また、リアルタイムで組織の情報が分かるので、団体から発行する報告書や、メールマガジン、外部からの問合せには、常に最新の状況を、数値を交えてお伝えするようにしています。

図2



フローレンスでは、子育てと仕事の両立可能な社会を目指して、病児保育問題のほかにも、待機児童問題の解消、企業の働き方を変える事業に取り組んでいます。今、Salesforceを一番有効に活用できているのは病児保育事業ですが、今後は他の事業にも横展開し、システムにできることはシステムに任せ、スタッフが「人対人のコミュニケーション」に集中できる環境を作っていきたいと考えています。


団体名認定NPO法人 フローレンス
設立年月2004年4月
組織規模2,104,138円(導入時)
326,023,614円(2011年度)
*支出・経常費用計
スタッフ数10名(導入時)
179名(2012年12月現在)
ウェブサイトhttp://www.florence.or.jp/
事業内容こどもの熱や軽い病気の時に、安心して預けられる場所が圧倒的に少ないという「病児保育問題」を解決するために、病児保育事業、働き方革命事業、伝える変える事業おうち保育園事業、コミュニティ創出事業、被災地支援事業を行っています。



見て・さわって・体験しよう “上司への報告業務「24時間/月」がなくなる” 方法とは

体験会・研修の詳細を見る⇒ http://npo-sc.org/salesforce_support/training.html



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