少人数のNPOが実施した「セールスフォース」運用改善事例――特定非営利活動法人あっとすくーる(大阪府 箕面市)




? NPO法人になったらすぐ導入がおすすめ。
? 学生スタッフの多いNPOに便利なツール。
? 「社員プロボノ」による運用支援の充実。


あっとすくーるが親しくさせてもらっている団体の代表が「寄付者管理をするためにsalesforceを導入したい」と言っているのを聞き、salesforceについて調べたのがきっかけです。salesforceはとても魅力的で、セールスフォース ドットコムの1/1/1モデルにも共感し、すぐにでも導入したいと思ったのですが、設立間もない団体なので「Power of Us 製品プログラム(非営利団体への製品寄贈)」を受けるのは無理だろうと勝手に諦めていました。しかし、そんなときにsalesforceに詳しい職員が入り、導入に向けて具体的に動き始めることができました。


情報管理を正確に、効率的に、リアルタイムで知りたかった
(1)とにかくバラバラの情報
Salesforceの導入を検討する前、収集した情報の管理が全くできていませんでした。

例えば、子どもたちの学習支援に携わるボランティアである“学生スタッフ”には登録時に「学生スタッフ登録シート」を記入してもらうのですが、シートを書いていないスタッフがいたり、シートは記入されていてもデータ化されていないために棚から紙のファイルを探して連絡を取ったりするといった状況でした。その登録シートも頻繁にフォーマットが変更され、登録したタイミングによって項目がバラバラな状況でした。また必要なときに連絡先を探すという運用を続けていたため、学生スタッフが70名近くいるにも関わらず、事務局から学生スタッフ全員に情報共有する方法もありませんでした。
“生徒”の情報も同じく、生徒に保護者へのお知らせのプリントなどを渡したかどうかをチェックするためにその都度エクセルで生徒一覧表を作っている状況でした。

(2)年度当初しか意識できない目標
事業計画書では寄付金額や生徒の成績向上を目標においていましたが、その管理の仕方については何も考えられていませんでした。事業計画書通りに活動が進んでいるかどうかは、年度末に事業報告書を作成するときに初めてその結果がわかるといった状況でした。


導入から「3ヶ月間」で運用の方向性が見えてきました
(1)段階的導入(2014年2月:30日間トライアル開始、3月:正式申請)
Salesforceの活用方法を考えると夢のようにひろがっていったので、目的を個人の情報管理に絞って期限を決めて導入を進めることにしました。設立間もない団体のためデータ数が少なく、その整理や入力自体はスムーズでしたが、salesforceで実際に運用してみると管理したい情報が頻繁に変わっていきました。そのたびにカスタマイズを行い、使用しながら業務に合った形に改善を重ねていきました。

(2)試行錯誤(2014年3月~5月)
Salesforceで個人の情報管理に慣れてきたころ、生徒の成績管理をしたいとの声が出てきました。また「生徒」「大学生(学生スタッフ)」「支援者など」で管理したい項目(情報)が異なるにも関わらず、すべて同じ「レコードタイプ」で管理していたため項目数が多くなり、見づらく入力もしづらい状態になっていました。Salesforce担当の職員が持っている知識で出てきた要望に何とか対応しようしていました。
※「レコードタイプ」とは:レコードタイプを使用すると、データを分類し、レコードタイプ毎にページレイウアトを割り当てることができる。

(3)プロボノ支援プログラムの活用(2014年6月)
セールスフォース・ドットコムが提供しているプロボノプログラムを利用して、セールスフォース・ドットコムの社員の方に運用上の悩みについて相談しました。Chatterを活用して事前に情報を共有したため、当日はスムーズに進めることができました。またヒアリングをもとにさまざまな解決策を提案していただき、その場で一緒に設定変更をしてもらったり、レポート作成に関するアドバイスをもらったりしました。


活用している機能
(1)種類ごとに項目や画面を分けてすっきり管理(レコードタイプ機能)
あっとすくーるでは「個人」の種類として大きく3つ「生徒」「大学生(学生スタッフ)」「その他」がありました。それぞれに管理したい項目が異なったため、「レコードタイプ」の機能を使用しました。レコードタイプを作成することで、「個人」を新規作成する際、最初にレコードタイプ【「生徒」「大学生」「その他」】を選び、それぞれの専用入力画面で必要な項目のみを入力できるようになりました。

個人作成画面



(左)「生徒」作成画面、(右)「大学生」作成画面



(2)生徒の成績管理(キャンペーン、レポート機能)
「キャンペーン」機能を活用して成績管理を行っています。「2014年1学期期末試験」等、テストごとに「キャンペーン」を作成し、そのキャンペーンのメンバーに生徒を追加してキャンペーンメンバーの情報として1人1人の成績を入力できるようにしました。また「レポート」機能を活用して、すべての生徒のテスト結果を一覧できるようにし、また前回のテストからの変化も見られるようにしました。

(3)役割に合わせたユーザ権限の設定(プロファイル設定)
学習支援の事業には多くの学生スタッフが関わっていて、生徒の成績管理は学生スタッフが行っています。そのためsalesforceに登録されている生徒の成績に関する情報に学生スタッフがアクセスできる必要がありました。一方で、salesforceには成績以外の様々な情報も登録されており、必要な情報以外にはアクセスできなくする必要がありました。そこで、学生スタッフが「業務に必要な情報にだけアクセスできる」ようにプロファイル機能を利用しました。
※※「プロファイル」とは:プロファイルは、salesforceの様々な機能を実行するためのユーザ権限を定義(情報の閲覧、追加、編集を含む、どのような操作ができるか、またはできないかを決定)するもの。



導入の効果・感想
(1)徹底した情報管理と活用
当たり前のことですが、情報はファイリングされているだけでは情報として使いづらく、活用もできません。salesforceを使い始めてから情報を集めるときには、ただ情報を集めるだけではなく、何のために必要なのかということを考えたうえで情報を集めるようになりました。また集めた情報はすべてsalesforceで一元管理・分析し、次の活動につなげることを意識するようになりました。

(2)目標達成を意識した活動
Salesforceにログインすると最初の画面に表示されるダッシュボードで「生徒数」「寄付金額」などの年間目標をどこまで達成しているかが一目でわかるようになっています。リアルタイムで目標達成度がわかるため、目標達成のための次のアクションを意識できるようになりました。





Salesforceを導入するためにはその導入の目的と業務フローの整理が必要です。あっとすくーるも導入前にその両方を考えたうえで導入を進めましたが、職員の利用状況を確認しながら頻繁に改善を重ねています。

組織規模によってはカスタマイズを何度も行うのは難しいところもあると思いますが、設立間もない団体や職員数の少ないあっとすくーるのような団体であれば運用しながら改善を加えていくのもやり方のひとつかと思います。salesforceならカスタマイズもデータインポートも慣れてしまえば非常に簡単です。団体に合わせた導入の仕方やカスタマイズで団体にかかせないツールに育てていくことができるのがsalesforceの魅力だと感じています。


団体名特定非営利活動法人あっとすくーる
設立年月2012年3月(2010年3月設立)
組織規模12,471,055円(2013年度)
スタッフ数5名(2014年7月現在)
ウェブサイトhttp://atto-school.jimdo.com/
事業内容あっとすくーるは主に経済的困難な1人親家庭の中高生を対象に渡塾・学習教室・家庭教師で学習支援を行っています。また、学習支援を通じて見えてきた子ども達の背景にある課題に対して、家庭・学校等と連携しながら解決に取り組んでいます。



見て・さわって・体験しよう “NPO法人になったらすぐ導入する” 方法とは

体験会・研修の詳細を見る⇒ http://npo-sc.org/salesforce_support/training.html



ページのトップへ戻る

導入サポート事例

  • e-Educationクラウドファンディング達成後の支援者管理を改善できました。
  • DPI日本会議独学で無理だったのが、「たった1ヶ月半」で導入できました。

会員・寄付管理

イベント・業務管理